屋根の上のバイオリン弾き(読み)やねのうえのばいおりんひき(その他表記)Fiddler on the Roof

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

屋根の上のバイオリン弾き
やねのうえのばいおりんひき
Fiddler on the Roof

ミュージカル。ウクライナ生まれのイディッシュ語(ユダヤ語)作家シャローム・アレイヘムの短編連作『牛乳屋テビエ』により、台本ジョゼフ・スタインJoseph Stein(1912―2010)、作詞シェルドン・ハーニックSheldon Harnick(1924―2023)、作曲ジェリー・ボックJerry Bock(1928―2010)。初演はゼロ・モステルZero Mostel(1915―1977)主演。ニューヨークのインペリアル劇場で1964年9月から1972年7月まで3242回続演。帝政ロシアのアナテフカ村で伝統に生きるテビエ一家らユダヤ人たちの物語。彼らはロシア人に迫害されて村を立ち退いていく。劇中曲『サンライズ・サンセット』がヒット。1971年にトポルTopol(1935―2023)主演、ノーマン・ジュイソンNorman Jewison(1926―2024)監督映画化。日本でも森繁久弥(もりしげひさや)主演で1967年(昭和42)9月初演、地方巡演も含めて再演を重ね、1986年5月31日には森繁が901回のミュージカル世界最多出演記録(当時)をつくった。

青木 啓]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

屋根の上のバイオリン弾き
やねのうえのバイオリンひき
Fiddler on the Roof

アメリカ合衆国ミュージカル。シェルドン・ハーニック作詞,ジェリー・ボック作曲。1964年初演。3242回のロングランを記録したヒット作。1965年トニー賞受賞。ロシア生まれのユダヤ人作家ショーレム・アレイヘム短編小説原作とする。1905年のロシアで,貧しいユダヤ人村に住む父親テビエと 5人の娘たちの結婚をめぐる物語を中心に展開するが,ユダヤ人虐殺 (ポグロム) の危機が迫るなか,村人たちは住み慣れた故郷離れ,世界へと散らばっていく。日本では 1967年に帝国劇場で初演。森繁久彌がテビエを演じてヒットし,人気作品となった。

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デジタル大辞泉プラス の解説

屋根の上のバイオリン弾き

1971年公開のアメリカ映画原題《Fiddler on the Roof》。同名ミュージカルの映画化。監督:ノーマン・ジュイソン、出演:トポル、ノーマン・クレイン、ロザリンド・ハリスほか。第44回米国アカデミー賞作品賞ノミネート。同撮影賞、歌曲・編曲賞、音響賞受賞。第29回米国ゴールデングローブ賞作品賞(ミュージカル・コメディ部門)受賞。

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世界大百科事典(旧版)内の屋根の上のバイオリン弾きの言及

【シャローム・アライヘム】より

…ロシアのウクライナ地方に生まれ,ニューヨークで死去した。東ヨーロッパのユダヤの民衆生活を,ユーモアと風刺で描く物語の名手で,その成功作シリーズ《牛乳屋テビエ》は62ヵ国語に翻訳され,これをミュージカル化した《屋根の上のバイオリン弾き》(1964)はニューヨークでロングランの大当りをとり,映画化もされた。日本では森繁久弥が主役を演じ,好評を博した。…

【ロビンズ】より

…58年と61年のスポレート音楽祭出演のために〈バレエUSA〉を創立したが,長続きせず,69年〈シティ・バレエ〉に復帰した。この間《王様と私》(1951),《屋根の上のバイオリン弾き》(1964)などミュージカルの演出,振付でも数々の成功をおさめた。その振付はモダン・ダンスにジャズ,ショー,社交ダンスの要素,手法を取り入れ,踊り手に高度の技巧を要求する。…

※「屋根の上のバイオリン弾き」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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