山あげ祭[烏山](読み)やまあげまつり[からすやま]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「山あげ祭[烏山]」の意味・わかりやすい解説

山あげ祭[烏山]
やまあげまつり[からすやま]

栃木県那須烏山市八雲神社の例祭。7月第4土曜日を中日とする 3日間行なわれる。永禄3(1560)年,全国に疫病が流行したときに災厄退散を祈願したのが始まりと伝わる祭りで,寛文年間(1661~72)以降は狂言歌舞伎も取り入れた。6町が年番で狂言(常磐津所作)を奉納する。見どころは,特産和紙と竹を使ってつくられた舞台背景である山で,狂言の演目に合わせた高さ 10mはある遠景大山と,その前景中山(滝山)に前山,それに館などからなる。これらを上演場所まで運んでは路上約 100mにわたって組み上げ,演じ終わると急いでかたづけて次の上演場所に移動する。江戸時代末期からこの形式になったといわれ,路上に大きな山が立てられる様子から山あげ祭の名がある。烏山の山あげ行事として国の重要無形民俗文化財に指定されており,2016年に「山・鉾・屋台行事」の一つとして国際連合教育科学文化機関 UNESCO世界無形遺産に登録された。

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