山中新田(読み)やまなかしんでん

日本歴史地名大系 「山中新田」の解説

山中新田
やまなかしんでん

[現在地名]三島市山中新田

箱根はこね山西麓に位置する坂五ヵ新田の一つ。五ヵ新田中もっとも高所(標高約五八〇メートル)にあり、東海道沿いにすぐ下に位置するのは笹原ささはら新田。東は箱根峠を越えて相模国足柄下あしがらしも郡の箱根宿(現神奈川県箱根町)国境示石に「是ヨリ東小田原領」「是ヨリ西江川太郎左衛門御代官所」とある。江戸から二六里目の一里塚があった。文明一二年(一四八〇)太田道灌は京都へ上る途中に「山中」を通り、「越わひぬ岩かねつたふ足引の山なかくらきならの下道」と詠んでいる。


山中新田
やまなかしんでん

[現在地名]阪南町南山中みなみやまなか淡輪たんのわ

箱作はこつくり村の西にある新田。もと箱作村と淡輪村(現岬町)の間の野原であった。その地の新田開発を大坂の唐物屋孫右衛門と箱作村の仁右衛門の二人が高三二石八斗余で請負ったが成功せず、開発権を箱作村の大庄屋であった山中庄兵衛に譲った。この庄兵衛の手で完成し、延宝四年(一六七六)領主青山宗俊の検地を受け六町八反余・高三二石八斗余が打出された(「由緒書」山中家文書)。新田名は開発者山中家にちなむ。しかし最初に下付された免状は高三一石六斗余となっており、検地高との差一石二斗余は屋敷高として差引かれたものであった(同文書)。領主は開発時以降、貝掛かいかけ村と同じ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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