岡屋牧(読み)おかのやのまき

日本歴史地名大系 「岡屋牧」の解説

岡屋牧
おかのやのまき

延喜式」には、信濃国の御牧一六の中に「岡屋牧」とあり、「吾妻鏡」文治二年(一一八六)三月一二日条にも「岡谷(牧)とみえている。また、承久二年(一二二〇)左馬寮下文案(諏訪大社下社文書)に「可早停止新儀任先例、以立野・岡野両牧如元為諏訪社下宮社領事、右件両牧者、治承年中比被寄進彼神領以降、代々有限駒牽役之外、一向為社領既四十余廻之間」とあり、早くから諏訪大社下社の神領とされていた。

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改訂新版 世界大百科事典 「岡屋牧」の意味・わかりやすい解説

岡屋牧 (おかのやのまき)

信濃国諏訪郡(現,長野県岡谷市)にあった馬牧。平安初期に成立した勅旨牧で信濃16牧の一つ。左馬寮の管する荘園となり,治承年中(1177-81)に立野牧とともに諏訪神社下宮に寄進され,その神領となったが,その後も一定の貢馬駒牽役は負担している。なお源平争乱期に年貢を納めず,1186年(文治2)に源頼朝を通じて催促されたことが《吾妻鏡》にみえる。諏訪神家の一流に岡屋氏があり,これがその在地領主であろう。
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百科事典マイペディア 「岡屋牧」の意味・わかりやすい解説

岡屋牧【おかのやのまき】

信濃国諏訪(すわ)郡,現長野県岡谷市にあった古代の馬牧。勅旨牧で信濃16牧の一(《延喜式》)。のち耕地化が進んで左馬(め)寮管轄の荘園となり,12世紀後半(治承年中)に諏訪社(諏訪大社)下宮に寄進されて神領となった。→

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