立野(読み)たての

精選版 日本国語大辞典 「立野」の意味・読み・例文・類語

たて‐の【立野】

  1. [ 1 ] 農民入会(いりあい)利用を禁止した原野。特に、採草・狩猟地、または造林適地として領主直轄地に指定された所が多く、現在でも各地地名として残っている。たちの。
    1. [初出の実例]「人のたて候たて山たて野ぬすみきりかり候てうたれ候下人かせものの侘言すべからず」(出典:結城氏新法度(1556)九条)
  2. [ 2 ] 東京都練馬区の西南端の地名。中世豊島氏の所領として開け、江戸時代は青梅街道に近い集落として発展

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「立野」の解説

立野
たちの

狩野かの川左岸の現小立野こだちの本立野ほんだちの一帯をいう。元亀二年(一五七一)四月二〇日の北条家朱印状写(判物証文写)に「豆州狩野内立野」とあり、旧来狩野庄に含まれていた。康安二年(一三六二)の六月二一日付鎌倉公方足利基氏書状写(正木文書)に「立野城」がみえ、前年基氏に謀反した畠山国清方が籠る立野城攻めに発向した軍勢動揺を鎮めるように大将岩松直国に命じている。同城は国清によって当地に構築された城郭で、「太平記」巻三八にみえる修禅寺しゆぜんじ城にあたる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の立野の言及

【三郷[町]】より

…南東部は大和川流域の低平地で,北西部には高安山,信貴(しぎ)山など生駒山地の山々が連なる。中心は近世に大和川水運の河港として栄えた立野(たつの)で,鼻緒の特産地として知られる。関西本線,近鉄生駒線が通じ,大阪への交通の便がよいため住宅地開発が著しく,人口も急増している。…

※「立野」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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