周防(すおう)国(山口県)岩国を中心に生産された半紙。天正(てんしょう)年間(1573~92)に、玖珂(くが)郡小瀬(おぜ)村(岩国市小瀬)の太郎右衛門がコウゾ(楮)の半紙を漉(す)き、大坂へ輸送して利益をあげたのが契機となって近隣がこれを見習い、同地方の一大産業となった。領主の吉川(きっかわ)家も奨励して、寛永(かんえい)年間(1624~44)以後藩の専売品に指定された。大坂市場でも声価が高く、近松門左衛門の『心中天網島(しんじゅうてんのあみじま)』(1720)にも「岩国の紙の仕切金」などと出てくる。1935年(昭和10)ごろまで漉かれていたが、現在は絶えた。
[町田誠之]
立春から数えて 88日目で,現行暦では5月2日頃にあたる。八十八夜を過ぎればもはや晩霜も終りになるので,農家ではこれを種まきや茶摘み,その他の農作業開始の基準としている。日本では明暦3 (1657) ...