峰町(読み)みねちよう

日本歴史地名大系 「峰町」の解説

峰町
みねちよう

面積:七二・四一平方キロ

対馬の中央部やや北側に位置する。南は下県郡豊玉とよたま町、北は上県町上対馬町と接する。中央部の大星おおほし(三四七・七メートル)、東部のこう(三四四・五メートル)は深い自然林で、神山は東水道の航路の標山として知られていた。とぶ崎は御前おまえ崎ともよばれ、古代の烽が置かれた所らしいが、西水道の標山の一つであった。東は日本海に面して三つの浦があるが、西は朝鮮海峡に臨む荒磯であるため良い船泊りがない。しかし西目にしめ(西面)より湾入した南西の三根みね浦は深く大きい入江で、高野たかの山を水源としてこれに注ぐ三根(流路延長六・〇一キロ、流域面積三〇・三平方キロ)流域には島内有数の耕作地が開けている。山林にも恵まれているが、こうした地勢から生業は農漁業が古来よりの形態で、現在はとくに東海岸で漁業を専業とする住民が増えている。南北に国道三八二号、東西に県道木坂きさか佐賀さか線、東の海岸部を主要地方道上対馬―豊玉線が通る。

三根湾にある縄文時代中期の吉田よしだ貝塚では西九州の阿高式土器や縄文時代終末期の夜臼式土器が出ており、東部の佐賀貝塚では阿高式土器および鐘ヶ崎式土器がみられ、住居跡や埋葬人骨、狩猟具や鹿・猪・鯨の骨などが検出される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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