…中国では〈しま〉に当たる言葉として〈柳条〉〈条布〉〈間布〉などが用いられ,日本でも中世には〈筋〉〈隔子〉などの名で散見される(《庭訓往来》)。〈しま〉という名称は近世に入って,南蛮船によってもたらされた織物に筋文様の織物が多く,これを称して〈島物〉とか〈島渡り〉といったことに始まると考えられる。事実,間道(かんとう)や唐桟(とうざん)をはじめ,ベンガラ縞,セイラス縞など,近世初頭から江戸時代を通じて珍重された縞物は,いずれも舶載品(島渡り)であり,またこれらが日本における近世の縞,ことに竪縞の発達にきわめて大きな影響を与えたことはいうまでもない。…
※「島物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」