ルソン

百科事典マイペディア 「ルソン」の意味・わかりやすい解説

ルソン[島]【ルソン】

フィリピンの北部にあり,フィリピン諸島のうち最大で同国の主島。漢字では呂宋地形は複雑で,南北に走る山系とその間にはさまる平野,河谷からなり,南東部にはボホール半島が延びる。海岸線は出入に富む。火山が多い。平地では米,トウモロコシ,タバコ,コプラが生産され,特に米は全国の3分の1を占める。金,銅,鉄,マンガンなどの埋蔵も豊富。住民も地域により複雑であるが,北部のイロカノ中部タガログ,南部のビコル人などが多数を占める。16世紀以来スペイン領となり,住民のキリスト教化が進んだ。19世紀末米国領。第2次大戦中は日本が占領。江戸時代には日本人町も発展,日本との歴史的関係が深い。中心都市はマニラ。10万4688km2。3334万2000人(1990)。
→関連項目アシエンダコルディリェラの棚田群スービク南蛮人ピナトゥボ[山]フィリピン松倉重政琉球貿易

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ルソン」の解説

ルソン
Luzon

フィリピン諸島最大の島で,政治・経済の中心。フィリピン全人口の55.6%が居住する。島の中部西岸に,1571年にスペインが根拠地を置いて以来フィリピンの中心都市であるマニラがある。マニラ北部の中部ルソン地方は穀倉地帯であるとともに,ネグロス島と並ぶサトウキビ生産地となった。早くから農民層の分解進み小作・農業労働者の割合が高く,特にアメリカ統治期になってから農民運動反乱を繰り返した。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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