川口関跡(読み)かわぐちのせきあと

日本歴史地名大系 「川口関跡」の解説

川口関跡
かわぐちのせきあと

[現在地名]白山町川口

跡地は不明だが、「五鈴遺響」は川口村の的場まとばの南に旧跡があるといい、字医王寺いおうじにある台地をさすと考えられる。同地には中世川口城跡がある。また聖武天皇の川口頓宮は同所とも考えられている。川口西方の雲出くもず川畔には縄文から弥生・古墳時代に及ぶ大角おおずみ遺跡があり、奈良時代の重圏文の丸瓦が出土し、奈良時代の建築物のあったことを裏付け、同地を関跡・頓宮跡とみる説もある。

年代は不明だが、平城宮出土木簡に「川口関務所本土返夫人事」とみえ、徴発された人夫がこの関を通って郷里に帰ったと考えられる。「続日本紀」天平一二年(七四〇)一一月二日条に「到伊勢国壱志郡河口頓宮、謂之関宮也」とあり、藤原広嗣の乱に際して聖武天皇の行宮が置かれ、せきノ宮と称されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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