川根町(読み)かわねちよう

日本歴史地名大系 「川根町」の解説

川根町
かわねちよう

面積:一二〇・四八平方キロ

榛原郡のほぼ中央部やや北寄りに位置し、北は本川根ほんかわね町・中川根町、東は静岡市・藤枝市・島田市、南は金谷かなや町、西は周智しゆうちもり町・同郡春野はるの町に接する。中央部を大井川が蛇行しながら南流し、中川根町久野脇くのわきから当町笹間渡ささまどまでの巨大曲流部は鵜山七曲うやまななまがりとよばれ、古くから難所であった。西からは支流家山いえやま川が流れ当町南部で大井川に合流する。東からは笹間ささま川および身成みなり川が蛇行しながら流れ、それぞれ北部と南部で大井川に合流する。平地は川の流域河岸段丘のみで、九〇パーセント以上を山林が占めている。大井川左岸をほぼ並行するように主要地方道島田―川根線が南北に通り、当町を横断する同道藤枝―天竜線と交差する。また大井川に沿って大井川鉄道が通り、大和田おわだ・家山・抜里ぬくり・笹間渡の四駅がある。

現在までに確認されている原始・古代の遺跡は一三ヵ所。縄文時代の遺跡はいずれも河岸段丘上の散布地で、天王山てんのうやま遺跡から早期の押型文土器(山形文、ネガティブの格子文、縦位楕円文)が採集されたのが最も古い。次いで天王山遺跡身成原みなりはら遺跡で中期の土器片が打製石斧・石錘石鏃などとともに採集されている。その後は家山原いえやまはらで晩期の土器片が採集されたほかは石器類のみで時期決定が難しい。弥生時代の遺跡としては抜里会下原ぬくりえげばらII遺跡があり、弥生後期の壺・台付甕が一括資料として採集されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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