川浦村(読み)かわうらむら

日本歴史地名大系 「川浦村」の解説

川浦村
かわうらむら

[現在地名]倉淵村川浦

現倉淵村の西北部を占める。北から西にかけて笹塒ささとや(一四〇二メートル)浅間隠あさまかくし(一七五六・七メートル)、南は鼻曲はなまがり(一六五四メートル)けんの峰(一四二九・六メートル)角落つのおち(一三九三メートル)などに囲まれたからす川の上流地域。同川沿いに大戸おおど(信州道)が通る。碓氷うすい郡に属し、東は群馬郡権田ごんだ村、東から南は岩氷いわこおり村、東南端は相間あいま川上流をもって水沼みずぬま村と接し、北と西は吾妻あがつま郡、西南の一部は信濃国と隣接する。したの塚越家は当村の草分であるが、永禄一〇年(一五六七)には武田氏に従っていた。信州上田の生島足島うえだのいくしまたるしま神社(現長野県上田市)に起請文を捧げたなかに塚越新助重定がみえ(生島足島神社文書)。塚越家は慶長年間(一五九六―一六一五)榛名はるな山三重塔(現榛名町)建設に貢献している(倉淵村誌)

寛永二〇年(一六四三)には岩氷村高一六九石余が分れ、当村の高四一〇石であった(「永代記録帳」塚越文書)。寛文郷帳では幕府領、田方一九一石余・畑方三七八石余。江戸後期の御改革組合村高帳では五一九石余で幕府領、家数一八二。安永年間(一七七二―八一)頃より村を上中下の三組に分けた。上組は西の矢陸やろくから東の中原なかつぱらまで、中組は五通田ごつうだ・木ノ下・桑本くわもと、下組は宮原みやはら以東で新屋敷あらやしき下タ村したむらとなっており、岩氷村との境が複雑に入り込んで飛地になっているところもある。「川浦に過ぎたるものが二つあり、高尾の山に名主八人」という俚諺があるように、各組には名主がおり、四―五軒の家が交代で行った(倉淵村誌)

川浦村
かわうらむら

[現在地名]三富村川浦

下釜口しもかまくち村の北、笛吹川上流の左岸に位置し、西は同川を挟んで上釜口村に対する。郷帳類には川浦村一村で高付されるが、上荻原かみおぎはら村・いかずち村・湯平ゆのたいら村・天科あましな村の四村で構成され、天科村には枝郷円川えんがわ村がある。湯平村には川浦口留番所が置かれた。弘治二年(一五五六)七月二三日の武田晴信判物(恵林寺文書)河浦とみえ、晴信は同地の杣山板や恵林えりん(現塩山市)領の竹木の伐採、同寺の被官らの公事免除など三ヵ条を定めている。永禄四年(一五六一)五月一〇日武田信玄(晴信)は河浦での湯屋造営を下知している(「武田信玄印判状」同文書)。同六年一一月吉日の恵林寺領検地日記および同年一〇月吉日の恵林寺領穀米并公事諸納物帳に雷の掃部允・清次郎・新次郎、「いかつち」の三郎左衛門・新五郎など、同地の名請人百姓名がみえる。諸納物帳には「雷平」とも記される。また同帳には尼品あましなの源五郎らの名請人の名がみえ、さらに同帳および前掲検地日記には「湯平」「湯之平」の甚七郎の名がみられる。甚七郎なる百姓は同地に高五貫五九五文を有し、うち一貫九三三文を恵林寺に納めている。

川浦村
かわうらむら

[現在地名]美濃加茂市三和町川浦みわちようかわうら

廿屋つづや町の南東、山之上やまのうえ村の北東に続く現市域北東端の山間にある。川浦川が村北の武儀むぎ神淵間見かぶちまみ(現加茂郡七宗町)境を源流とし、伊深いぶか村を経て津保つぼ川に注ぐ。その谷底平野に耕地と集落が散在する。年未詳四月一三日の岡田善同書状(市田靖氏所蔵文書)に「しうか村より走候て、川うら村ニ罷居候百姓新介」を連れ戻すべきことが記される。文禄三年(一五九四)一〇月三日廿屋村・川浦村の百姓に対し、山年貢を山札をもって納めることが指示されている。

川浦村
かわうらむら

[現在地名]三和村川浦

飯田いいだ川右岸に位置し、南東は中野なかの村、北は村に接する。北方に松之山まつのやま街道が東西に通る。文禄(一五九二―九六)頃の頸城郡絵図では、中野村の川上に描かれる。応永一八年(一四一一)八月一九日の居多神社社領注文(居多神社文書)に「五十君郷内 二段河浦税所給」とあり、居多こた神社(現上越市)の社領があった。頸城郡絵図には「御料所窪田扱此外四方分河浦分」とみえ、「本納二百四□石□斗□升六合」七八人とある。天和三年郷帳では高八八九石三斗余。明和七年(一七七〇)と推定される山里蝋実穂納訳帳(国立史料館蔵)によれば、山蝋実二石六斗九升三合一勺・里蝋穂七五三貫三二〇匁五分(うち五貫六三〇匁は臨時買上)を納めていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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