12月1日のこと。〈川浸りの朔日(ついたち)〉とか一年最後の朔日という意味で〈乙子(おとご)の朔日〉ともいう。この日,餅やだんごをつくり川へ投げ入れる習慣は広く全国にわたっていた。これを〈川浸り餅〉〈川渡り餅〉などといい,河童に引き込まれないよう河童に与えてやるとか,これを食べると川でおぼれぬなどという。中国地方ではぼた餅を膝などに塗りつけると川で転ばぬといい,関東ではこの日の早朝,子どもが川にしりをつけると河童にさらわれないと伝えており,水難を防ごうとする意識がうかがわれる。餅やだんごのほか,小豆,粥,ナス漬などを食べる土地もあるが,本来これらは水神への供物であったと考えられる。ちょうど半年おいた6月1日の行事(氷の朔日)に類似する点が多く,水神との関係が強調されるが,農業暦の上でさほど重要な時期ではないことから,正月を迎えるに先だち,川で水垢離(みずごり)をとったことに由来するという説もある。
執筆者:蛸島 直
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