川部・高森古墳群(読み)かわべ・たかもりこふんぐん

日本歴史地名大系 「川部・高森古墳群」の解説

川部・高森古墳群
かわべ・たかもりこふんぐん

[現在地名]宇佐市川部・高森

駅館やつかん川東岸の宇佐台地上、川部から高森にかけて広がる古墳群で、四世紀前半代から六世紀中頃にかけて築造された前方後円墳六基を中心とする。一帯は国の史跡に指定されている。前方後円墳は九州最古の前方後円墳である赤塚あかつか古墳(高森)、三角縁神獣鏡が出土しためんひら古墳、県北地方で最大規模の福勝寺ふくしようじ古墳、横穴式石室をもつ鶴見つるみ古墳(以上、川部)、および角房かくぼう古墳(高森)車坂くるまざか古墳(川部)の六基で、ほかに各前方後円墳の周辺で方形周溝墓や小石室をもつ円墳、箱式石棺墓などが発見されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「川部・高森古墳群」の解説

かわべたかもりこふんぐん【川部-高森古墳群】


大分県宇佐市川部・高森にある古墳群。駅館(やっかん)川の右岸、宇佐原といわれる標高30mの段丘の一角に所在する。6基の前方後円墳を中心として、周辺に約120基の円墳や周溝墓が集まった古墳群である。九州最古の一つとされる前方後円墳として著名な赤塚(あかつか)古墳は、古墳時代前期(3世紀後半~4世紀初頭)に築造されたもので、免ケ平(めんがひら)古墳がこれに続き、角房(かくぼう)古墳、車坂(くるまざか)古墳、福勝寺(ふくしょうじ)古墳が古墳時代中期(5世紀)ごろ、鶴見古墳が古墳時代後期(6世紀)ごろの前方後円墳。これら6基の前方後円墳は、古墳時代に宇佐地方を支配していた首長、おそらくは宇佐国造(くにのみやつこ)一族墳墓と推定され、1980年(昭和55)に国の史跡に指定された。周囲の古墳や周溝墓はその一族や臣下の墓と推測され、3~6世紀の間に同じ地域に継続して古墳が築造されていることから、長期にわたって安定した支配が行われていたと考えられている。現在、古墳の周辺一帯は史跡公園・宇佐風土記の丘として整備されている。JR日豊本線柳ケ浦駅から車で約5分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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