市場取引用語(読み)しじょうとりひきようご

日本大百科全書(ニッポニカ)「市場取引用語」の解説

市場取引用語
しじょうとりひきようご

上げ足(あげあし)
 株価の動きが、上昇傾向にあること。反対は「下げ足」。

足取り(あしどり)
 過去の株価の動き。

洗う(あらう)
 証券会社で顧客勘定の尻(しり)がどうなっているかを計算すること。値洗い。

ROE(アールオーイー)
 return on equity。自己資本利益率。「1株当り利益」を「1株当り純資産」で割った値。大きいほどよい。

一巡(いちじゅん)
 売り買いの勢いが一段落すること、売り一巡、買い一巡などと使われる。

一服(いっぷく)
 相場の動きが一時的に止まること。上げ一服、下げ一服などと使われる。

糸へん(いとへん)
 繊維株の俗称。

EPS(イーピーエス)
 earnings per share。1株当り利益。「当期純利益」を「発行済み株式数」で割った値。大きいほどよい。

イールド・スプレッド
 「長期国債利回り」から「株式利回り」を引いた値。債券と株式の相対的投資価値を示す指標。この指標が大きいことは、株式への投資意欲が下がっていることを示す。

インサイダー取引(インサイダーとりひき)
 株価に影響する情報を知る立場にある者が、公表前に株式の売買をすること。

薄商い(うすあきない)
 出来高が非常に少ないこと。

売り気配(うりけはい)
 いくらなら売りたいというときの相場をさす。反対は買い気配

売りつなぎ(うりつなぎ)
 信用取引で、現物株をもっていながら、同一株を売ること。

上値(うわね)
 現在の株価(たとえば100円)を上回る株価(101円以上)のこと。

エクイティファイナンス
 自己資本の増加になる資金調達。新株発行による増資が典型。

MBO(エムビーオー)
 management buyout。経営陣による自社・自社の子会社・自社事業部門の買収。自己資金のほか、投資ファンドの資金、金融機関の貸付金等を使用する。事業再編などで行われる。

LBO(エルビーオー)
 leveraged buyout。買収しようとする会社の資産や将来の収益を担保にして資金を調達し、少ない自己資金で何倍もの規模の企業を買収(レバレッジ効果)する行為。

追い証(おいしょう)
 信用取引で委託保証金が不足した場合、追加して求められる保証金。

黄金株(おうごんかぶ)
 拒否権のついた特別な株式。買収防衛策の一つ。

大型株(おおがたかぶ)
 発行済み株式数の多い銘柄。つまり大資本金を有する会社(電力、鉄鋼、造船・重機など)の株。

大底(おおぞこ)
 株価の上下変動の安い部分を「底」、なかでももっとも安い部分を「大底」という。

大台(おおだい)
 株価などの頭の数字。たとえば、1200円の株価なら、大台は1000円。

大天井(おおてんじょう)
 株価の上下変動の山の部分を「天井」、なかでももっとも高い部分を「大天井」という。

大引け(おおびけ)
 後場(ごば)の最後の取引またはその値段をいう。

お化粧買い(おけしょうがい)
 機関投資家などが、運用成績の引上げを意図して株を買うこと。

押し目(おしめ)
 上げ相場のときに一時的に株価が小幅に下がること。

オシレータ
 株価変動の強弱を測定する指標。過熱ぎみか、売られすぎかなどを判断する。

オプション取引(オプションとりひき)
 特定の期日までにあらかじめ設定した価格(権利行使価)で株式や債券を売買する「権利」を取引すること。TOPIX(トピックス)オプションなどがある。

終値(おわりね)
 大引け(後場の最後の取引)の株価。引け値ともいう。最初の立会の株価は「始値(はじめね)」または「寄付き値」という。

買支え(かいささえ)
 相場が下落のときに、買いの注文を出して、相場の下落を防ぐこと。

買戻し(かいもどし)
 信用取引で売り建(たて)している株を買い戻す(反対売買)こと。

格付け(かくづけ)
 債券を発行する会社等の元本・利払いの安全性や確実性を判定し、等級づけすること。専門の格付け機関として、スタンダード・アンド・プアーズやムーディーズが有名。

株価収益率(かぶかしゅうえきりつ)
 略称PER(price earnings ratio)。「株価」を「1株当り利益」で割った値。投資価値の割安・割高を判断する指標。

株券電子化(かぶけんでんしか)
 上場会社の株券を廃止し、すべての株を電子的に管理する制度。2009年1月実施。発行会社は金融機関に「発行会社設定口座」を設け、株主の権利を管理し保護する。

株式公開(かぶしきこうかい)
 株式を証券取引所に上場し、自由に売買できるようにすること。

株式公開買付制度(かぶしきこうかいかいつけせいど)
 略称TOB(take-over bid)。株式買取希望者が期間・価格・数量を公表して、不特定多数の株主から買い取る。経営権支配のためのものが多い。

株式先物取引(かぶしきさきものとりひき)
 将来特定の日に特定株式を一定の数量・価格で受渡しをすることを約束する取引。

株式分割(かぶしきぶんかつ)
 1株を複数の株に分割し、既発行株式の数を増やすこと。会社にとっては、新たに資金調達することなく新株発行が可能になり、株主には持株数が増加することになる。

株式持ち合い(かぶしきもちあい)
 企業間でお互いの株式を保有しあい、経営の安定・乗っ取りの防止を図ること。

ガラ
 株価暴落のうち、とくに激しい場合をいう。語源は「瓦落(がら)」。「大暴落」ともいう。

空売り(からうり)・空買い(からがい)
 証券会社から株を借りて売るのが「空売り」、金を借りて株を買うのが「空買い」。

がらみ
 見当、近い、前後という意味で、相場のだいたいの気配を表す場合に使われる。

機関投資家(きかんとうしか)
株式投資を業務とする組織。生命保険、損害保険、信託銀行、投資信託会社、年金基金など。

気迷い(きまよい)
 予測が困難なとき、判断しにくいときに用いられる。気迷い人気など。

逆鞘(ぎゃくざや)
 株価比較で高いはずの株が安く、安いはずの株が高い場合、逆鞘にあるという。

玉(ぎょく)
 株(株式)の俗称。信用取引で、建(たて)玉(約定(やくじょう)株)、買い玉(買い株)、あるいは玉不足(浮動株が少ないこと)などと使われる。

罫線(けいせん)
 ケイ線。株式相場の動きを判断するための株価の動きをとらえた図表。代表はローソク足

気配(けはい)
 「きはい」ともいう。取引所内の値動きをいう。

堅調(けんちょう)
 株価が徐々に高くなる状態。反対は軟調。

現物(げんぶつ)
 株券と現金の受渡しで決済する株式をいう。

権利行使価格(けんりこうしかかく)
 オプション取引であらかじめ設定した価格のこと。

国際優良株(こくさいゆうりょうかぶ)
 外国の個人・機関投資家に人気の高い株(ソニー、トヨタ自動車、武田薬品工業など)。

御祝儀相場(ごしゅうぎそうば)
 大発会(だいほっかい/だいはっかい)、大納会、新規上場などの際、味付けをねらって買い注文(御祝儀商い)を出して、商いができた相場をいう。

ゴールデンパラシュート
 会社の買収防衛策の一つ。企業価値を低くして、買収者にとっての魅力を下げること。たとえば、買収された場合に経営陣に巨額の退職金を払う契約をしておく。

裁定取引(さいていとりひき)
 先物市場と現物市場の価格差を利用して、割高の側を売り、割安の側を買って、値鞘を稼ぐ取引。取引最終日(限月(げんげつ))までに反対売買によって差金(さきん)決済する。

先物買い(さきものがい)
 予想される好材料を見込んで、早めに買い手当てをすること。反対は先物売り。

指す(さす)
 株価を指定して注文を出すこと。

鞘(さや)
 株価の差、あるいは開きのこと。値鞘、逆鞘、鞘かせぎ(株価の開きを利用してもうける)などと使われる。

ザラ場(ざらば)
 寄付きと引けの間の時間、およびその間の取引をいう。

地合い(じあい)
 市場の人気。地合いがよいなどと使われる。

時価総額(じかそうがく)
 会社の時価総額は、株価にその会社の発行済み株式数を掛けた金額。市場全体の時価総額は、全銘柄の時価総額の総合計で、市場規模を示す。

時間外取引(じかんがいとりひき)
 通常の取引時間外に取引すること。東京証券取引所(東証)では電子取引システム・ToSTNeT(トストネット)を使って、所定の時間帯に取引を行うことができる。

自社株買い(じしゃかぶかい)
 会社が自社の株を買い戻すこと。1株当りの価値を高める、敵対的買収を防ぐ、ストックオプションを行う、などの目的で余裕資金を利用して行う。

実勢相場(じっせいそうば)
 実際の景気や業績を反映した相場。

仕手株(してかぶ)・仕手筋(してすじ)・仕手戦(してせん)
 「仕手」は市場で売買を行う人、とくに大口の売買をする人、さらに相場師をいい、その集団を仕手筋と称する。彼らが投機的売買の対象とする銘柄を「仕手株」、彼らが展開する激しい売買合戦を「仕手戦」とよぶ。

仕手相場(してそうば)
 特定の玄人(くろうと)筋の投機家だけによる相場展開をいう。

JASDAQ(ジャスダック)
 Japan Securities Dealers Association Quotation。もとは店頭取引を迅速化するための「株式店頭市場機械化システム」(1991)。現在では東証に開設されているベンチャー企業のための「JASDAQ市場」をさす。

証券保管振替機構(しょうけんほかんふりかえきこう)
 証券会社を通じて株主から預託された株券の保管・管理を行う機関。略称「ほふり」。

情報通信関連株(じょうほうつうしんかんれんかぶ)
 高収益期待の情報通信産業の株(ソフトバンク、NTTドコモなど)。

ストックオプション
 会社の役員が一定の価格(行使価格)で自社株を購入できる権利。業績をよくして株価を上げれば、差額が自分の利得になる。役員に対するインセンティブ誘因)の一種。

ストップ高(ストップだか)・ストップ安(ストップやす)
 株価の騰落をある一定の幅で限定し、騰(高)落(安)を規制すること。

前場(ぜんば)・後場(ごば)
 午前中の立会を前場、午後の立会を後場という。

前引け(ぜんびけ)
 前場の立会が終わること。前場の最終値段にもいう。

底入れ(そこいれ)
 相場が底をついた状態。

第三者割当(だいさんしゃわりあて)
 会社に関係のある第三者(取引先、銀行、従業員等)に新株引受権を与えること。

大納会(だいのうかい)
 年の最後の立会。

大発会(だいほっかい/だいはっかい)
 年の最初の立会。

高値引け(たかねびけ)
 終値がその日のもっとも高値となること。反対は安値引け

立つ(たつ)
(1)取引所の立会が始まること。

(2)売りと買いの出合いがついて取引が成立すること。

建玉(たてぎょく)
 信用取引で新規に買ったときを買い建て、売ったときを売り建てといい、その買い・売りの株を建玉または建株という。

中位株(ちゅういかぶ)
 株価が中間にある株(中位株、普通1000円以下)。

強保合い(つよもちあい)
 高いのか安いのか明確でない状態(保合い)でありながら、やや堅調な状態をさし、その反対を弱保合いという。

ディスクロージャー
 関係者に対する財務諸表や経営内容に関する情報の開示。

TOB(ティーオービー)
 「株式公開買付制度」を参照。

出来ず(できず)
 出来不申(できもうさず)。商いが成立せず株価がつかないこと。株価がついた場合、「出来値」という。

てこ入れ(てこいれ)
 人為的に相場を支えること。

手仕舞い(てじまい)
 信用取引で売り買いの反対売買をして、建株をなくすこと。

デリバティブ
 株式や債券(原資産)から派生したオプション取引等の金融商品。「金融派生商品」ともいう。

天井(てんじょう)
 相場がいちばん高いところ。反対は底。それ以上(以下)が大天井(大底)。

東証株価指数(とうしょうかぶかしすう)
 略称TOPIX(トピックス)。東証第一部全銘柄の時価総額の指数。1968年1月4日の数値が100。

解合い(とけあい)
 不時の事件や買占め・売り崩しなどで相場が急変した場合に、買い方売り方が協議して、一定の価格で売買契約を解消すること。

TOPIXオプション(トピックスオプション)
 オプション取引のうち、TOPIXを一つの銘柄とみなして取引するもの。東証で行われる。TOPIX先物ともいう。

中だるみ(なかだるみ)
 立会の中ごろで、上げ相場がわずかに保合(もちあ)い、軟調となった状態。

投げ(なげ)
 買いの思惑が外れて、損をすることを承知で売ること。その売り物がほとんど出尽くした状態を投げ一巡という。

NASDAQ(ナスダック)
 National Association of Securities Dealers Automated Quotation。全米証券業協会(NASD)管理下のコンピュータによる店頭市場情報システム。

なんぴん
 難平。損(難)を平均化すること。

日経平均株価(にっけいへいきんかぶか)
 東証第一部225銘柄のダウ式修正法による平均値。日経ダウともいう。

人気相場(にんきそうば)
 強気の見通しが多くを占め、それを反映して相場が堅調な状態で、人気に支えられているような相場の状態。

値ごろ(ねごろ)
 売買にあまり抵抗を感じない株価水準。

ネット株(ネットかぶ)
 インターネット関連企業(接続会社=プロバイダー、検索サービス会社など)の株。

軒並み高(のきなみだか)
 全銘柄がそろって高くなること。その反対を軒並み安という。

反発(はんぱつ)
 下げ過程のなかで、相場が一時的に戻ること。反対は反落という。

PER(ピーイーアール)
 「株価収益率」を参照。

引け(ひけ)
 立会が終わること。前場の終わりが前引け、その日の立会の終わり(後場)が大引け。

PKO(ピーケーオー)
 price keeping operation。株価維持行政指導。公的資金により株を買ったり、また売りを抑制して、株価の維持を図ること。

PBR(ピービーアール)
 price book-value ratio。株価純資産倍率。「株価」を「1株当り純資産」で除したもの。高いほど割高、低いほど割安だが、1倍をきると株価は解散価値以下となる。

ファンド
 もとは「資金」。狭義には投資家から集めて運用し、果実を分配する「信託財産」。

風説の流布(ふうせつのるふ)
 意図的に相場や信用を操作するために虚偽の情報を流すこと。犯罪になる。

不動産投資信託(ふどうさんとうししんたく)
 不動産を運用対象とする投資信託。REIT(リート)(Real Estate Investment Trust)ともいう。

ほふり
 「証券保管振替機構」を参照。

ボロ株(ボロかぶ)
 市場全体の水準に比べて株価が低位にある銘柄。低位株。

マザーズ
 Mothers(Market of the high-growth and emerging stocks)。東証に開設されているベンチャー企業のための株式市場。

見送り人気(みおくりにんき)
 相場の見通しがたたず、売り買いが少ない閑散な状態をさす。

もみ合い(もみあい)
 相場(株価水準)が、小幅の上げ下げを繰り返している状態。

やり
 売りの意味。かい(買い)の反対で、やり気配、あるいは、一かい二やり(1円では買い、2円では売り)などと用いられる。

寄付き(よりつき)
 立会(取引所内の売買)が始まって最初に成立した値段。寄付き値。

利食い(りぐい)
 相場の変動で利益勘定となった場合、その株を反対売買して、計算上の利益を実際に手に入れること。

REIT(リート)
 「不動産投資信託」を参照。

レバレッジ
 もとは「てこleverage」。少ない資金で何倍もの効果を追求することをいう。

レバレッジド・バイアウト
 「LBO」を参照。

ろうばい売り(ろうばいうり)
 堅調な市場がなんらかの契機で急落したとき、全体がパニックに陥り、売りが続出する状況。

ローソク足(ローソクあし)
 市場状況を時系列的にとらえる方法のうち、ローソク状の図で示す株価の動き。

腕力相場(わんりょくそうば)
 強引な売買でつくられている相場。

[森本三男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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