プロバイダー(読み)ぷろばいだー(英語表記)provider

翻訳|provider

日本大百科全書(ニッポニカ) 「プロバイダー」の意味・わかりやすい解説

プロバイダー
ぷろばいだー
provider

インターネットへの接続サービスを提供する企業。インターネット・サービス・プロバイダーinternet service provider、または、その頭文字をとってISPともよばれる。

 通信事業者が提供する光ファイバーADSLCATVなどの有線回線、またはWiMAX(ワイマックス)やLTEなどの無線通信回線だけではインターネットは利用できず、中継役であるISPとの契約が必要になる。ISPでは自社サーバーを管理しており、そこにパソコンなどの端末からの通信を経由させることでインターネットを利用できるようになる。いわば、インターネットへの出入口を管理するサービスである。接続の基本となるIPアドレスの発行に加えて、メールアドレスの発行と管理、ホームページ開設のためのサーバースペースの提供、IP電話ウイルスチェックなどのサービスを提供する。

 独立系の@nifty(アットニフティ)やBIGLOBE(ビッグローブ)、ASAHIネットなどの専門業者のほかに、通信キャリア系のOCN、au one net(エーユーワンネット)、さらにYahoo!BB(ヤフービービー)やNURO(ニューロ)など回線と接続サービスを一体型で提供するサービスなどがある。日本では、1993年(平成5)に最初の商用プロバイダーが登場し、総務省へ届け出た事業者数は2000年(平成12)末時点で5612に及んだ。その後、スマートフォンをはじめとするモバイル端末が普及し、移動体通信事業者が提供するサービスや、Wi-Fi(ワイファイ)接続スポットなどの無料のネット接続サービスを中心に利用するユーザーの増加に伴い、プロバイダー業界の再編が進んでいる。

[黒川武弘]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例