デリバティブ

デジタル大辞泉 「デリバティブ」の意味・読み・例文・類語

デリバティブ(derivative)

株式債券金利外国為替などの金融商品(原資産)から派生して生まれた金融商品将来、現金や他の金融商品を受け取る権利の現在価値がその価値を決定する。価格変動によるリスクを避けるために開発先物取引オプション取引スワップ取引が代表的である。金融派生商品。→オフバランス

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精選版 日本国語大辞典 「デリバティブ」の意味・読み・例文・類語

デリバティブ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] derivative 「派生的」の意 ) 金融派生商品。元になる商品、通貨、株式、債券に対して、その価格変動を対象とした取引契約をいう。代表的なものに先物取引とオプション取引などがある。一九八〇年代に金融の新商品として生まれ、米国の主導で急成長した。

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百科事典マイペディア 「デリバティブ」の意味・わかりやすい解説

デリバティブ

金融派生商品。株式,債券,通貨,商品など本来の金融商品から派生した商品で,その価格変動を数値化して取引の対象とするもの。これには通貨先物取引,金利先物取引スワップ取引オプション取引といった新しいタイプの商品がある。取引場上場商品のほかに非上場の店頭商品もある。もともとリスク回避の手段として1980年代に米国で開発されたが,最近ではデリバティブ自体を投機対象とするヘッジファンドの取引が拡大,なかには現物市場以上の規模にまで大きくなっているものもある。世界中のデリバティブ取引は巨額にのぼり,想定投資金額は50兆ドル以上といわれる。 急激な発展の背景として,(1)価格変動に対するリスクを回避すること,(2)少ない投資で多額の投機が可能なこと,(3)バランス・シートに計上されない取引であること,その他に,コンピューターや通信技術の発達規制緩和の流れ,金融市場のグローバル化などが指摘されている。 リスク管理を誤ると,大きな損失をこうむる可能性があり,取引の内容が複雑になるほど高度のリスク管理技術が必要とされる。また,本来の金融商品(株式,債券等)の価格変動を大きく左右するケースも増えており,各国の金融当局者はデリバティブの規制強化や情報開示を進める検討を始めている。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「デリバティブ」の解説

デリバティブ

通貨、債権、株式、金などの現物市場と連動して価格が変動する商品を対象にした取引き。金融派生商品のこと。将来行われる売買を特定価格で事前に取引きする先物取引、あらかじめ定められた期間内に特定価格で金融商品の売買を行う権利を取引きするオプション取引などがある。金融商品の価格変動リスクを回避し、低コストでの資金調達や高利回りの運用などを目的に利用される。ただし、最近はデリバティブ自体を投機対象とする取引きが拡大し、規制強化や情報開示を求める動きが高まっている。

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知恵蔵 「デリバティブ」の解説

デリバティブ

株式、為替などの原資産の動きに依存して価格が変動する商品あるいは取引。代表的なものは、オプション、スワップ、先物取引など。財務諸表には時価評価額および評価差額が計上されるが、リスクの高さに鑑みて注記で取引内容やリスク相当額が開示される。もともとは価格変動リスク軽減や決済コスト削減などの目的で開発されたが、少ない資金で多額の原資産を取引したのと同じレバレッジ効果が得られることから、投機的な目的で使われることも多い。

(熊井泰明 証券アナリスト / 2008年)

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投資信託の用語集 「デリバティブ」の解説

デリバティブ


株式や債券、為替など本来の商品から派生した金融商品のこと。金融派生商品ともいう。代表的なものとして、先物取引、オプション取引、スワップ取引などがある。デリバティブは、もともとはリスク回避の手段として開発されたが、少額の資金で大きな取引が出来るためデリバティブ自体を対象とする投機的な取引も拡大している。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デリバティブ」の意味・わかりやすい解説

デリバティブ

金融派生商品」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のデリバティブの言及

【金融派生商品】より

…本来は,株式や為替などの取引で生じる損失を回避するために開発された高度な金融技術を使った金融商品。英語でfinancial derivativesといい,単にデリバティブとも称する。将来の相場の変動を予測して行う先物取引や変動金利と固定金利を交換する金利スワップ取引,異なる通貨建ての債務を交換する通貨スワップ取引,オプション取引などをさす。…

【国際金融市場】より

…1986年12月,東京オフショア市場Japan Offshore Market(略称JOM)も創設された。 今日の市場で大きなウェイトを占める金融派生商品(デリバティブ)については,1972年にシカゴ商業取引所(CME)で通貨先物取引が開始され,75年にはシカゴ商品取引所(CBOT)で初めて金利先物が上場された。その後82年にCMEで株価指数先物・同先物オプション,CBOTで債券先物オプションが導入された。…

【モンテカルロ法】より

…(6)さまざまな物理的現象が偏微分方程式によって記述されるが,その解を求めること。 最近になって,デリバティブ(金融派生商品)の価格評価等の分野では,大規模な問題に対する解を,かなりの精度で,しかも短時間に出したいという要望が出されるようになった。このため,乱数の代りに準乱数と呼ばれる特別な数を使用する準モンテカルロ法という方法も使われるようになってきた。…

※「デリバティブ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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