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株式持ち合い かぶしきもちあい

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

株式持ち合い

金融機関と貸出先企業機関、もしくは、企業間で株式を相互に持ち合うこと。多くの場合、次の2つの目的により行なわれる。(1)株式の安定化を行なうことで、敵対的買収を事前に防衛すること(2)事業、金銭面でつながりの深い企業の株主となることで、その情報を確保することである。一方で、株式ち合いは投資収益の効果が期待でず、また、株式の流動性を低めるというデメリットが指摘されている。1960年代の資本の自由化にともなって、株式持ち合いは企業集団を中心に拡大した。だが、バブル崩壊後、持ち合い株式の株価が急落し、企業の経営を圧迫したことから、株式持ち合いの解消が進んだ。さらに、01年に金融機関の株式保有を制限する「銀行株式保有制限法」が成立してからは、銀行の株式持ち合いの解消売りが急増している。

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百科事典マイペディアの解説

株式持ち合い【かぶしきもちあい】

金融機関や事業会社が互いに相手の株式を所有すること。日本企業に特有で,米国は日本企業の閉鎖性として批判している。その目的は,安定株主工作,系列関係の維持,相互抑止関係の維持,長期的視野に立った経営戦略の展開など。
→関連項目企業集団法人株主

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

株式持ち合い
かぶしきもちあい

企業がお互いに、あるいは金融機関との間で、安定株主効果を期待して双方の株式を持ち合うこと。長期的、安定的な取引関係の維持や乗っ取り防止に役だつとして以前から行われ、日本的経営の特徴とされた企業集団化を促進してきた。持ち合い株主はサイレント株主(議決権を預託する株主)でもあり、経営者支配を強めることになることから、企業中心の意思決定が可能になるが、一方で少数株主や個人株主が軽視されることにより、経営に対するチェックやガバナンス(統治)機能が損なわれ、さらに流通株式が減るというマイナスも生む。かつて持ち合い株の株価上昇が、企業の含み益依存の経営体質を支える時期が続いたが、その後の長引く株価低迷で逆に経営の重荷になってきた。そこで、1990年代以降は資産効果をあげるために低利回りの株式を売り切って、持ち合い関係を解消する動きが広まった。しかしこのことが、2000年代初めに、株価が割安な優良企業に対して敵対的な買収攻勢をかけるといった投資ファンドなどの動きを内外から呼び込むことになったことから、2006年度(平成18)以降は逆に持ち合い比率は再上昇している。ただ政府は、持ち合い解消を進める目的で、銀行等保有株式取得機構を通じて金融機関の保有株買取りを進めており、さらに上場企業間の持ち合い株に関しても、情報開示を義務づける方針を決めている。[原 正輝]

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