市渡村(読み)いちのわたりむら

日本歴史地名大系 「市渡村」の解説

市渡村
いちのわたりむら

[現在地名]亀田かめだ大野町字市渡・字稲里いなさと・字村山むらやま

近世から明治三三年(一九〇〇)まで存続した村。大野川の上流から源流域に位置し、南東方下流側は大野村。近世は東在の村で、天保郷帳に一之渡いちのわたり村とみえる。箱館と渡島半島東岸の鷲ノ木わしのき場所・鹿部しかべ場所を結ぶ街道の要衝であった。天明(一七八一―八九)後期の「蝦夷草紙別録」によると「一野渡り」五〇軒。同六年には一ノ渡村の戸数は六〇戸弱、二八〇余人(蝦夷拾遺)。寛政一〇年(一七九八)の戸数三五・人数一五〇、庄屋は七平、年寄は代介であった(木村「蝦夷日記」同年五月二七日条)。同一二年改によれば五万五千五五坪、ほかに新開畑分の枝郷峠ノ下とうげのした(現七飯町)と同千葉ちば(現字稲里)が載る(「蝦夷日誌」一編)。「高島日記」の筆者は鹿部(現鹿部町)からこまヶ岳の南東麓を通り、小沼こぬま峠・大沼おおぬま峠を越えて当村に至り、「此所家弐拾四五軒もあり。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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