常栄寺庭園(読み)じようえいじていえん

日本歴史地名大系 「常栄寺庭園」の解説

常栄寺庭園
じようえいじていえん

本堂の北にあり、国指定の史跡および名勝

現常栄寺の地は室町時代妙喜みようき寺があった所で、庭園は妙喜寺の庭として築造された。大内政弘が画僧雪舟に命じて造らせたという伝承があり、俗に「雪舟庭」とよばれる。雪舟作庭という確実な史料はないが、江戸時代初期には雪舟作といわれていたという。雪舟の山口在住は教弘・政弘・義興三代五〇余年に及ぶことを考えても、ほぼ雪舟作としてもよいと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「常栄寺庭園」の解説

じょうえいじていえん【常栄寺庭園】


山口県山口市宮野下にある庭園。常栄寺本堂の北側にある庭園で、「雪舟庭(せっしゅうてい)」として知られている。室町時代中期、大内政弘(まさひろ)が雪舟に命じて妙喜寺(みょうきじ)につくらせたと伝えられる。妙喜寺はのちに毛利隆元菩提寺となり、常栄寺と名を改めた。三方山林に囲まれた庭園は、池泉回遊式庭園で、東北側の丘の斜面に枯れ滝を設け、中央に無染池(心字池)、池の中と庭には大小さまざまな石を配している。内庭には樹木を植えず、その配石や立石の手法は独特である。水と石に主体をおいた庭園は簡素でありながら豪放なたたずまいをみせ、日本庭園の中でも名園の一つとされている。1926年(大正15)に国の史跡および名勝に指定され、1962年(昭和37)に背景の山林も指定地域となった。JR山口線宮野駅から徒歩約15分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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