幌馬車(読み)ホロバシャ

デジタル大辞泉 「幌馬車」の意味・読み・例文・類語

ほろ‐ばしゃ【×幌馬車】

幌を掛けた馬車

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精選版 日本国語大辞典 「幌馬車」の意味・読み・例文・類語

ほろ‐ばしゃ【幌馬車・母衣馬車】

  1. 〘 名詞 〙 幌をかけた馬車。雨や日光などを防ぐため、おおいをつけた馬車。
    1. [初出の実例]「勢よくかけて来た母衣馬車(ホロバシャ)一台」(出典:当世少年気質(1892)〈巖谷小波〉一)

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改訂新版 世界大百科事典 「幌馬車」の意味・わかりやすい解説

幌馬車 (ほろばしゃ)

馬もしくは牛の引く大型四輪の荷車で,荷台に幌がかけられるようになっている。アメリカ西部開拓史と結びつけて考えられる幌馬車は,いくぶん特殊な構造になっており,その原型は18世紀半ば,ペンシルベニアのランカスター地方でペンシルベニア・ダッチがつくったコネストーガ・ワゴンである。荷台の床は平らでなく,ボートのように中央部が弓なりに曲がっており,悪路や急坂でも荷物がころげたり,落ちたりしないようになっている。荷台の前方後方も,上側が広がっていて,全体として船のような印象を与えるので,〈大草原の船prairie schooner〉とも呼ばれた。4頭から6頭の馬で引かれ,2tから3tの荷物を運べる幌馬車は,西部へ移住する開拓民にとって最良の運送手段であった。もっとも,本来乗客用につくられたものではないので,御者は馬車には乗らず,歩くか,4頭立ての場合には後馬に乗った。多くの幌馬車は青く塗られ,上等なものは19世紀半ば1500ドルもした。
馬車
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