オーチャードグラス(読み)おーちゃーどぐらす(英語表記)orchard grass

翻訳|orchard grass

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オーチャードグラス」の意味・わかりやすい解説

オーチャードグラス
おーちゃーどぐらす
orchard grass
[学] Dactylis glomerata L.

イネ科(APG分類:イネ科)の多年草。根はひげ状。稈(かん)は高さ0.6~1.2メートル、葉身は線形で幅2~10ミリメートル、長さ約30センチメートル、灰色を帯びた青緑色を呈する。若い葉身は樋(とい)状に折り畳まれて出る。5~6月、茎頂に長さ10~30センチメートルの円錐(えんすい)花序をつけ、花序の枝は開花期には広がり、その先に小穂をつける。小穂は長さ8~10ミリメートル、普通は4小花からなる。小花が水鳥の指状につくのでcook's-footという英名があり、和名カモガヤ(鴨茅)はこれにちなむ。ヨーロッパ、アジアの温帯原産で、18~19世紀ごろから欧米で牧草として栽培が始まり、日本へは明治初年に牧草として北海道に導入された。

 現在は全国で栽培され、道端原野に野生化もしている。ラジノクローバーやレッドクローバーといっしょに播(ま)き、牧草地にすることが多く、青刈り飼料やサイレージにもする。日陰でもよく育ち、果樹園orchardの下草に栽培したことからオーチャードグラスの名がある。寒地では8月、暖地では10月ごろまでに播き、3~6年間刈り取りを繰り返す。

[星川清親 2019年8月20日]

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オーチャードグラス

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