平懐(読み)へいかい

精選版 日本国語大辞典 「平懐」の意味・読み・例文・類語

へい‐かい ‥クヮイ【平懐】

〘名〙 (「へいがい」とも)
① ふだん思っていること。平素の考え。また、それを述べること。
※小右記‐寛弘二年(1005)二月八日「白昼於御前定申雑事、事渉平懐」
② (形動) 無遠慮なこと。敬意のないこと。とりつくろわないこと。また、そのさま。
色葉字類抄(1177‐81)「平懐 ナメシ ヘイグヮイ」
※応永本論語抄(1420)憲問第十四「微生畝は名也。孔子名を丘とへいくゎいに呼て云なり」
③ (形動) 歌学で、和歌を詠む際の発想や表現などが平俗で陳腐であること。また、そのさま。後には、連歌俳諧でもいう。
六百番歌合(1193頃)春上・二七番「左方申云、右歌、首尾平懐なり」

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デジタル大辞泉 「平懐」の意味・読み・例文・類語

へい‐かい〔‐クワイ〕【平懐】

[名・形動ナリ]《「へいがい」とも》
ふだん思っていること。また、それを述べること。
「姑―の事ならば、詞にあどうがたりの字を取りて書くべしとおぼえず」〈後撰集正義・一八〉
礼儀作法を守らず遠慮のないこと。また、そのさま。
「どなたも船中―御免」〈浄・博多小女郎
歌学で、発想や表現が平凡なこと。また、連句付合つけあいのとき、無遠慮に付句をする態度。平懐てい

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