平懐(読み)ヘイカイ

デジタル大辞泉 「平懐」の意味・読み・例文・類語

へい‐かい〔‐クワイ〕【平懐】

[名・形動ナリ]《「へいがい」とも》
ふだん思っていること。また、それを述べること。
「姑―の事ならば、詞にあどうがたりの字を取りて書くべしとおぼえず」〈後撰集正義・一八〉
礼儀作法を守らず遠慮のないこと。また、そのさま。
「どなたも船中―御免」〈浄・博多小女郎
歌学で、発想や表現が平凡なこと。また、連句付合つけあいのとき、無遠慮に付句をする態度。平懐てい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「平懐」の意味・読み・例文・類語

へい‐かい‥クヮイ【平懐】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「へいがい」とも )
  2. ふだん思っていること。平素の考え。また、それを述べること。
    1. [初出の実例]「白昼於御前定申雑事、事渉平懐」(出典:小右記‐寛弘二年(1005)二月八日)
  3. ( 形動 ) 無遠慮なこと。敬意のないこと。とりつくろわないこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「平懐 ナメシ ヘイグヮイ」(出典:色葉字類抄(1177‐81))
    2. 「微生畝は名也。孔子名を丘とへいくゎいに呼て云なり」(出典:応永本論語抄(1420)憲問第十四)
  4. ( 形動 ) 歌学で、和歌を詠む際の発想や表現などが平俗で陳腐であること。また、そのさま。後には、連歌俳諧でもいう。
    1. [初出の実例]「左方申云、右歌、首尾平懐なり」(出典:六百番歌合(1193頃)春上・二七番)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android