平田森三(読み)ヒラタ モリゾウ

20世紀日本人名事典 「平田森三」の解説

平田 森三
ヒラタ モリゾウ

昭和期の物理学者 東京大学名誉教授。



生年
明治39(1906)年2月10日

没年
昭和41(1966)年5月8日

出生地
広島県広島市

学歴〔年〕
東京帝大理学部物理学科〔昭和3年〕卒

学位〔年〕
理学博士〔昭和16年〕

主な受賞名〔年〕
大河内記念賞〔昭和33年〕,東レ科学技術賞〔昭和35年〕

経歴
昭和3年理化学研究所寺田寅彦研究室に入り、10年東大講師、14年理学部助教授、16年学位を得、17年教授となり、第2工学部で応用物理学講座を担当。26年理学部に移り41年定年退官、上智大学理工学部教授となった。この間、東大生産技術研究所長を兼任、28年には同大学乗鞍山頂宇宙線観測所初代所長を務めた。また日本物理学会委員長、応用物理学会長、日本物理教育学会副会長を歴任した。初期の研究でガラス割れ目の発生と伝播を中心とした破壊機構の物理的研究では統計的手法を駆使して業績を上げた。海面でバウンドしない補鯨用の平銛の発明、アメリカの物理科学研究委員会の教科書の紹介なども手がけた。大河内記念賞、東洋レーヨン賞などを受賞。著書に「キリンのまだら―自然界の統計現象」「物理実験をはじめる人のために」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「平田森三」の解説

平田森三 ひらた-もりぞう

1906-1966 昭和時代の実験物理学者。
明治39年2月10日生まれ。理化学研究所の寺田寅彦(とらひこ)研究室などをへて,昭和17年東京帝大教授。統計的手法でキリンの縞(しま)模様やガラスなどの割れ目現象を研究。また水中弾道の研究から平頭の捕鯨用銛(もり)を開発した。昭和41年5月8日死去。60歳。広島県出身。東京帝大卒。著作に「キリンのまだら―自然界の統計現象」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「平田森三」の解説

平田 森三 (ひらた もりぞう)

生年月日:1906年2月10日
昭和時代の物理学者
1966年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の平田森三の言及

【捕鯨】より

…50年には,南極海捕鯨に装備され実用段階に至ったが,多くの研究課題を残し,結果的には普及しなかった。しかし,電気銛の実験に参加した平田森三(1906‐66)は,銛が水面を大きく反跳する現象を観察して,従来のとがった銛先に代わる平頭銛実験の必要性を感じとった。そして,北海道沖の電気銛実験は急きょ平頭銛の実験に変更された。…

※「平田森三」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android