平等院庭園(読み)びょうどういんていえん

国指定史跡ガイド 「平等院庭園」の解説

びょうどういんていえん【平等院庭園】


京都府宇治市宇治蓮華にある庭園。京都府南部、琵琶湖から流れる宇治川の中流、宇治橋南東の河畔に所在する。平安時代中期の阿弥陀堂と一体になった最古浄土建築と浄土庭園であることから、1922年(大正11)に国の史跡および名勝に指定された。平等院の前身嵯峨(さが)天皇の皇子、源融(みなもとのとおる)の別荘で、1052年(永承7)、時の関白、藤原頼通によって父道長の別荘になっていたものを寺院に改めて創建された。その年は末法到来の初年に当たり、浄土信仰が貴族の間に浸透し、その翌年には阿字池を中心に阿弥陀如来を安置する阿弥陀堂(鳳凰(ほうおう)堂)が建立された。鳳凰堂は浄土の楼閣を思わせる建物であり、周囲に広がる阿字池は極楽の宝池を模したもので、借景として宇治川や対岸の山々を取り込み、西方浄土への祈りを込めて造られた池泉舟遊式(浄土式)の庭園である。京阪電鉄宇治線宇治駅から徒歩約10分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android