日本歴史地名大系 「平郡」の解説
平郡
へいぐん
- 千葉県:安房国
- 平郡
江戸時代、安房国にみえる郡。古代の
江戸後期、房総沿岸の防備を担当することになった大名が安房国内などに領知または預地を与えられるが、担当の大名が頻繁に交替するため、村方にとって支配領主の変遷はめまぐるしかった。文化七年(一八一〇)郡内九ヵ村が陸奥白河藩領となり、天保一三年(一八四二)には郡内の七村、同一四年には四五村が武蔵忍藩領となっている(同一四年忍藩領郷村高帳)。房陽郡郷考によれば、勝山藩領一八村(他領分を含む、以下同様)・館山藩領六村・忍藩領二五村・陸奥会津藩領二一村で、ほかに幕府領二村・旗本領三村と寺領があった。嘉永六年(一八五三)には備前岡山藩が沿岸警備にあたり、当郡三二村が同藩預地となっている(同七年岡山藩房総預地村高帳)。万延元年(一八六〇)より近江三上藩領となる村があった。元治元年(一八六四)若年寄の平岡道弘が加増により一万石を領知、
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報