底筒男命(読み)そこつつのおのみこと

精選版 日本国語大辞典 「底筒男命」の意味・読み・例文・類語

そこつつのお‐の‐みことそこつつのを‥【底筒男命】

  1. 記紀などに見える航海の神。伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の子。上筒男之命(うわつつのおのみこと)、中筒男命(なかつつのおのみこと)とともに住吉神社祭神。そこつつお。
    1. [初出の実例]「其の底筒之男命(そこつつのをのみこと)、中筒之男命、上筒之男命の三柱の神は」(出典古事記(712)上)

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朝日日本歴史人物事典 「底筒男命」の解説

底筒男命

日本神話に登場する航海の神で,住吉大神の1柱。伊奘諾尊が,黄泉の国の穢れを清めるため,筑紫日向の橘の小戸の檍原で禊をして,水底で身をすすいだときに出現。このとき,水中では中筒男命が,水上では表筒男命が現れた。この3柱の筒男神が住吉大神であり,住吉大社(大阪市住吉区)の3座の祭神である。3神は,神功皇后に神懸りして三韓出兵を指示,また皇后の男子(応神天皇)出産を予言する。皇后の新羅征討に際しては,この神の和魂は皇后の守護を,荒魂は軍船の先導をした。新羅平定後,荒魂を穴門の山田邑(下関市一の宮町の住吉神社)に,和魂を摂津住吉郡(大阪の住吉大社)に祭ったという。神功皇后と,その新羅征討には極めてかかわりが深いといえる。<参考文献>上田正昭編『住吉と宗像の神』

(寺田恵子)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「底筒男命」の解説

底筒男命 そこつつのおのみこと

記・紀にみえる神。
黄泉(よみ)の国の汚れをあらいながそうと,伊奘諾尊(いざなぎのみこと)が日向(ひゅうが)で禊(みそぎ)をしたとき水底で生まれた。中筒男(なかつつのおの)命と表筒男(うわつつのおの)命とあわせて住吉大神とされる。「日本書紀」にこの3神が神功皇后(じんぐうこうごう)の三韓征討に際して,皇后に神託をくだす説話がある。

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