弓場殿(読み)ユバドノ

精選版 日本国語大辞典 「弓場殿」の意味・読み・例文・類語

ゆば‐どの【弓場殿・弓庭殿】

  1. [ 1 ] 宮廷の弓場に面して設けられ、射技を行なうとき天皇が臨席する建物。ゆみばどの。いばどの。
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] 平安京内裏の校書殿の異称。狭義には、その東廂の北の二間、あるいはその前方に張り出した部分をいうこともある。張り出し部分の東、紫宸殿西廂の西に弓場が設けられた。
      1. [初出の実例]「楽前大夫左馬助有時・右馬助仲舒、従弓場殿出、進南」(出典:九暦‐九条殿記・菊花宴・天暦四年(950)一〇月八日)
    2. [ 二 ] 平安京大内裏の武徳殿の異称。その前方の馬場騎射が行なわれた。
      1. [初出の実例]「このきみおそくまかりいでたまへば、弓場殿に御さきばかりまゐらせ給て」(出典:大鏡(12C前)三)

ゆみば‐どの【弓場殿】

  1. 〘 名詞 〙 宮中で行なわれる射技に天皇が臨席する建物。いばどの。ゆばどの。
    1. [初出の実例]「天皇、射殿(ユミハトノ)に御す。百寮及び海の表の使者に詔して射しめたまふ」(出典:日本書紀(720)清寧四年九月(図書寮本訓))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の弓場殿の言及

【射場殿】より

…射殿,弓場殿(ゆばどの)ともいう。平安宮内裏にあり,恒例の賭射(のりゆみ)の際に天皇が臨む所。…

※「弓場殿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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