引き出づ(読み)ヒキイズ

デジタル大辞泉 「引き出づ」の意味・読み・例文・類語

ひき‐い・ず〔‐いづ〕【引き出づ】

[動ダ下二]
ひきだす1」に同じ。
御文とて―・でたれば」〈落窪・一〉
事件などを引き起こす。
「さるまじき過ちを―・でて」〈柏木
引き出物として贈る。
「又いみじき御車みくるま牛添へて―・で奉らせ給ふ」〈栄花初花
例として出す。
「さばかりらうたげなりつる御さまを―・で奉りつるほどのけしき」〈落窪・一〉

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精選版 日本国語大辞典 「引き出づ」の意味・読み・例文・類語

ひき‐い・ず‥いづ【引出】

  1. 〘 他動詞 ダ下二段活用 〙
  2. ひきだす(引出)
    1. [初出の実例]「すこしひきいでて、牛かくるほどに」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
  3. ひきだす(引出)
    1. [初出の実例]「ことひきいでてさわがれば聞きにくからん」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開上)
  4. 引出物として贈る。差し出す。
    1. [初出の実例]「女はまめやかなる物をひきいでけると、ちぎりを結ぶ」(出典:落窪物語(10C後)三)
  5. 引用のために取り出す。例として引く。
    1. [初出の実例]「楊貴妃のためしもひきいでつべくなり行くに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)
  6. 戦いで、敵方軍勢をくり出す。

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