引っ掛る(読み)ヒッカカル

デジタル大辞泉 「引っ掛る」の意味・読み・例文・類語

ひっ‐かか・る【引っ掛(か)る/引っ懸(か)る】

[動ラ五(四)]
物にかかってそこに止まる。「風船が木の枝に―・る」
途中で立ち寄る。また、手間どる。「飲み屋に―・る」
やっかいなことにかかわりあう。関係が生じる。「選挙違反に―・る」「悪い男に―・る」
計略にはまる。だまされる。「敵のわなに―・る」「甘い言葉に―・る」
こだわりが残る。すっきりしない感じがする。「言い方に何か―・るものがある」
監視規制などによってとがめられる。また、そのために止められる。「書類の不備で―・る」「一斉検問に―・る」
水などがふりかかる。「車のしぶきが―・る」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「引っ掛る」の意味・読み・例文・類語

ひっ‐かか・る【引掛・引懸】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙 ( 「ひきかかる(引掛)」の変化した語 )
  2. 物などにかかってそこに止まる。妨げられて、そこに止まる。
    1. [初出の実例]「キルモノガ クギニ ficcacatta(ヒッカカッタ)」(出典日葡辞書(1603‐04))
  3. 関係がつく。関係がついてめんどうなことなどに、かかわり合う。また、計略などにはまる。だまされる。
    1. [初出の実例]「博覧会へ行くつもりだっけが吉原の立退へ引ッかかって」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三)
    2. 「この作品が、刑法に引っかかるというのは法律の不備である」(出典:裁判(1952)〈伊藤整〉)
  4. 心の中にこだわるものがある。すっきりしない感じがする。気にかかる。
    1. [初出の実例]「なぜにいやともおおとも云ひきらずに、ひっかかって居ることぞ」(出典:古今集遠鏡(1793)六)

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