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博覧会 はくらんかいexhibition; fair

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

博覧会
はくらんかい
exhibition; fair

産業と文化進展のために,種々の生産品,実物,見本,説明図などを展示したり,即売したりする会。近年は観光,レジャーの色彩が濃く,大規模化しつつあり,娯楽性を強めたテーマパークや,会議や研修を目的としたコンベンションなどを取り込む形態も増えている。起源は 1756年ロンドン開かれた勧業博覧会で,日本では 1877年東京での第1回内国勧業博覧会が最初。国際博覧会は 1851年ロンドンが第1回で,日本では 1970年大阪で初めて開かれた (→日本万国博覧会 ) 。

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デジタル大辞泉の解説

はくらん‐かい〔‐クワイ〕【博覧会】

産業・貿易・学術・技芸などの振興・促進のために、種々の産物・文化財などを集めて展示し、広く一般に公開する催し。「万国(ばんこく)博覧会

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百科事典マイペディアの解説

博覧会【はくらんかい】

農業,鉱工業などの産業全般および技芸,学術等の文化全般にわたる活動と成果の実態を生産品,模型,機構図などの展示によって一般に周知させる催し。地方博覧会全国博覧会国際博覧会の別がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

はくらんかい【博覧会 exhibitions and fairs】

工業,商業,農業,水産業などの産業や,技芸,学術などの文化について,その活動や成果の実態を,生産品,模型,機構図などの展示や実演などによって一般社会の人々に知ってもらうための催し。内容的には各部門にわたる一般的なものと特定の部門だけの専門的なものがある。地域的には地方博覧会,全国博覧会,国際博覧会がある。また世界各国の主要な物産を集め陳列する万国博覧会もある。
[歴史]
 近代的な意味での博覧会の形になってきたのは産業革命以降のこととされ,1761年のロンドン王立美術工業商業振興会によって開かれたものが工業品を展示した最初の博覧会といわれる。

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大辞林 第三版の解説

はくらんかい【博覧会】

種々の文化財・生産品などを陳列して人々に観覧させ、産業や文化の振興に役立たせようとする催し。 〔exhibition の訳語〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

博覧会
はくらんかい

博覧会とは各種の産業、科学技術、芸術文化などの活動の成果や将来の方向を示す製品・模型・パネルなどを展示し、広く一般社会の知見を高め、産業振興を進めることを目的とした催し物である。また、博覧会は内容的には一般的なテーマのものと特定分野のテーマのものとに分けられ、地域的には国際博覧会(万国博覧会)、全国博覧会、地方博覧会に分けられる。[間仁田幸雄]

海外の万国博覧会と日本

日本人が博覧会に最初にふれたのは、1862年(文久2)に竹内下野守保徳(しもつけのかみやすのり)を正使とする第1回遣欧使節団が、2回目の「ロンドン万国博覧会」を見学したときである。また、日本が万国博覧会に最初に正式参加したのは1867年(慶応3)の「パリ万国博覧会」であった。このときは江戸幕府を代表して外国奉行(ぶぎょう)向山隼人正(むこうやまはやとのしょう)(1826―98)、公使として15代将軍徳川慶喜(よしのぶ)の弟の徳川昭武(あきたけ)(1853―1910)が派遣されたが、幅広く特産品を集めて出品し、茶屋や大道芸人も参加して人気をよんだ。博覧会ということばは、このときの出品勧誘を報告した1865年(慶応1)の公式文書に「仏国博覧会」とあるのが最初である。
 次に、明治政府として最初に参加したのは1873年(明治6)の「ウィーン万国博覧会」であり、日本庭園、茶室、鳥居、神社からなる日本家屋の特設館を建て、漆器・陶磁器・和紙などを展示した。また、諸工業の技術伝習者を加えた77名を派遣し、帰国後その成果が『墺(おう)国博覧会報告書』96巻としてまとめられた。この博覧会は近代の産業技術や経済制度の導入や日本製品の海外への紹介を通じて、日本の産業発展に多大な貢献をした。[間仁田幸雄]

日本の博覧会の起源と沿革

これらの動きと平行して、国内でも博覧会が開かれるようになった。そうした意味で日本における近代的な博覧会の起源となったのは、1871年に西本願寺を会場に開催された京都物産会である。この物産会は以後三十数回にわたって開催された。正式に博覧会と名付けられたのは、1872年に政府が文部省博物局で収集した各地の特産物を昌平坂(しょうへいざか)聖堂で公開した物産博覧会からであるが、東京博物館、国立科学博物館はこの博覧会の施設であった。
 次に、政府が最初に主催した本格的な博覧会は1877年に東京で開かれた第1回「内国勧業博覧会」である。さまざまな産物を蒐集(しゅうしゅう)・陳列して一般の人々の観覧に供する催し物は江戸時代から存在していた。また、1877年ごろまでは文明開花の新風俗として、各地でいろいろな地方博が行われていたが、これも江戸時代の開帳や物産会に近く、見世物的な性格を残していた。しかし、内国勧業博覧会の目的は文明開化や殖産興業にあり、こうした古い催し物とは一線を画すものであった。内国勧業博覧会は5回開催されたが、1903年の大阪・天王寺の第5回内国勧業博覧会には、将来の万国博覧会開催の布石として海外から18か国が招聘(しょうへい)された。
 その後も「東京勧業博覧会」(1907)、「東京大正博覧会」(1914)、「平和記念東京博覧会」(1922)などの内国博覧会が開かれたが、大正期以降になると、新聞社、百貨店、電鉄会社などが主催する博覧会が増えてきた。これは、新聞社、百貨店、電鉄会社などが消費拡大の手段として博覧会を取り上げるようになったからである。[間仁田幸雄]

地方博ブームと残された課題

第二次世界大戦後になると、まず博覧会を戦後復興の起爆剤とするために、全国各地で復興博、貿易博、産業博などが活発に開催された。その後も産業文化博や科学博、婦人子供博などが開催されたが、これは戦前と同じ新聞社、百貨店、電鉄会社などの主催が多かった。他方、地方自治体が主催する地方博は中央官庁主導で地方自治体が持ち回りで開催する全国緑化フェアなどを除けば、かならずしも活発ではなかった。
 その後、1980年代後半から90年代初頭にかけて、地方博の一大ブームが巻き起こった。これは多くの都市が市政100周年を迎えて競って博覧会を計画したためであるが、同時にバブル景気のもとでレジャー・ブームやリゾート・ブームが盛り上がっていた時期であったことが追い風となった。筑波(つくば)研究学園都市で開催された「国際科学技術博覧会/科学万博・つくば'85」の余韻の残る1987年(昭和62)に開催された「未来の東北博覧会」(仙台)や、翌年に開かれた「なら・シルクロード博」(奈良)、「世界・食の祭典」(北海道)、「ぎふ中部未来博覧会」(岐阜)など、次いで89年(平成1)に開催された「横浜博覧会」、「世界デザイン博覧会」(愛知)、「アジア太平洋博覧会」(福岡)の三大博、さらに「海と島の博覧会」(広島)など、この時期の地方博は28か所、入場者は4000万人に上った。90年に入っても「長崎旅博覧会」、「食と緑の博覧会」(岡山、宮崎、千葉)などが開かれ、最後を飾って「国際花と緑の博覧会」(大阪)が開催された。
 しかし、バブル景気の崩壊とともに開催がむずかしくなり、1994年には世界都市博「東京フロンティア」が中止され、地方博ブームは一挙に終息した。もともとこのブームには過疎化や東京一極集中に対抗して地域活性化を進めたいとする地方自治体の期待が込められていた。しかし、ディズニーランドを模した巨大なテーマパークが次々と出現するなかで、地方博も巨大な投資を伴うエンターテインメント空間化し、採算性の確保がきわめてむずかしくなり、補助金や企業寄付により赤字を補填(ほてん)せざるをえなくなった。こうした事情は万国博でも同じであり、いまや博覧会は根本から存在意義が問われているといっても過言ではない。[間仁田幸雄]
『山本光雄著『日本博覧会史』(1970・理想社) ▽明治文献資料刊行会編・刊『明治前期産業発達史資料 勧業博覧会資料1~240』(1973~76) ▽寺下勍編『博覧会強記』(1987・エキスプラン) ▽神奈川新聞社編『横浜博覧会公式記録』(1990・横浜博覧会協会) ▽電通編『世界デザイン博覧会公式記録』(1990・世界デザイン博覧会協会) ▽西日本新聞社編『アジア太平洋博覧会 福岡'89公式記録』(1990・アジア太平洋博覧会協会) ▽橋爪紳也・中谷作次著『博覧会見物』(1990・学芸出版社) ▽間仁田幸雄著『地域を創る夢装置――博覧会から地域を見る』(1991・誠文堂新光社) ▽国際花と緑の博覧会協会編・刊『EXPO'90 国際花と緑の博覧会公式記録』(1991) ▽泉真也・寺沢勉編著『エクスポ&エキジビション』(1992・六耀社) ▽東京国立文化財研究所編『内国勧業博覧会美術品出品目録』(1996・中央公論美術出版) ▽東京フロンティア協会編・刊『世界都市博覧会――東京フロンティア 構想から中止まで』(1996) ▽平野繁臣著『国際博覧会歴史事典』(1999・内山工房) ▽吉見俊哉著『博覧会の政治学――まなざしの近代』(中公新書)』

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世界大百科事典内の博覧会の言及

【万国博覧会】より

…時代の最先端をいく世界各国の科学技術の粋を一堂に集めて展示するほか,各国それぞれのお国ぶりを紹介する展示や催物により国際交流を深めようとする世界最大の博覧会。万国博,万博とも呼ばれる。…

※「博覧会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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