引剥(読み)ひっぺがし

精選版 日本国語大辞典 「引剥」の意味・読み・例文・類語

ひっ‐ぺがし【引剥】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ひっぺがすこと。
    1. [初出の実例]「どふりでとうけいしのからかさのひっへかしを見るよふだ」(出典:洒落本・登美賀遠佳(1782))
  3. 博打一種。また、それに用いた紙。一枚の紙面を六区画に区切り、その一画ずつに人気役者の紋所を描き、賭ける者はそのどれかの紋の上に金銭を置く。紙の両端には上から見えないように二〇個の紋を貼りつけ、その一つを選んで剥がしてみて、賭けた紋と合っていれば、何倍かの金銭を得た。〔博奕仕方風聞書(1839頃か)〕

ひ‐はぎ【引剥】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ひきはぎ」の変化した「ひっぱぎ」の促音の無表記 ) 通行する人をおどかして衣類や金、持ち物などをはぎ奪うこと。また、その人。おいはぎ。
    1. [初出の実例]「高市の山にてひはきにあひ手をすて命ばかりいき」(出典:高野本平家(13C前)一二)

ひき‐はぎ【引剥】

  1. 〘 名詞 〙 おいはぎ。ひはぎ。ひっぱぎ。
    1. [初出の実例]「奏云、法勝寺所司下女、一夜於二条朱雀辺引剥事」(出典中右記‐永久二年(1114)四月一四日)

ひっ‐ぱぎ【引剥】

  1. 〘 名詞 〙 「ひきはぎ(引剥)」の変化した語。→ひはぎ
    1. [初出の実例]「強盗ひっはきもして」(出典:米沢本沙石集(1283)一〇本)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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