引本浦(読み)ひきもとうら

日本歴史地名大系 「引本浦」の解説

引本浦
ひきもとうら

[現在地名]海山町引本浦

引本湾と白石しらいし湖を分ける標高一〇〇メートル余の丘陵南麓にある。北西はこの丘陵によって冬の季節風を防ぎ、東部良港を形成している。正応六年(一二九三)正月三日付の荘司文書(紀伊続風土記)に「ひきもと(引本)のうハちのかま」とあり、引本の地名がみえる。「紀伊続風土記」に「伊勢神宮の材を引出したる地なるより」と記され、村名は遷宮の際の用材を船積みした港に由来するとしている。引本集落北東にある長浜ながはまを、本居内遠の「紀伊国古昔国界考」は「神鳳鈔」記載の中浜なかはま御厨に比定している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の引本浦の言及

【海山[町]】より

…漁業が盛んで,島勝浦と白浦は捕鯨基地でもあった。引本浦は良港で,廻船の寄港もありにぎわった。屈指の多雨地帯で,杉,ヒノキの良材を産し,〈尾鷲材〉として出荷される。…

※「引本浦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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