秋刀魚（読み）サンマ

デジタル大辞泉

さんま【秋^＝刀^＝魚】

ダツ目サンマ科の海水魚。全長約40センチ。体は細長く、側扁し刀状、背部は暗青色、腹側は銀白色。外洋性回遊魚で、夏、北海道沖に現れ本土に沿って南下し伊豆諸島・四国沖に至り、春、再び北上する。常磐・房総沖を通過する10月ころのものが脂がのって最も美味。《季 秋》「―焼く匂の底へ日は落ちぬ／楸邨」

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

さんま【秋刀魚・三馬】

1. 〘 名詞 〙
2. ① サンマ科の海産魚。全長約四〇センチメートルに達する。体は側扁して細長く、刀状。体色は背部が暗青色で腹部は白く、体側に銀白色の光った太い線が走る。口部はとがり、下あごがやや長い。北部太平洋の沖合いから外洋の表層域に広く分布。日本近海に分布するものは、秋、産卵のため大群をなして千島列島付近から産卵しながら南下し、冬、伊豆諸島や紀伊半島などの沿岸に達する。この産卵のために回遊してくるものは脂肪に富んで最も美味。みりん干し、かん詰めなどにもされ、秋の味覚として親しまれる。また、紀伊半島では脂の少ないものを丸干しやすしにして食べる。さいら。《 季語・秋 》 〔本朝食鑑（1697）〕
   1. [初出の実例]「鰺(サンマ)の増塩をしたやつの辛くて一口もいけねへのを。大根をいれて煮て食ふはさ」(出典：滑稽本・浮世床（1813‐23）初)
3. ② ( その形が①に似ているところから ) 芝居で使う木に銀紙を貼った粗末な刀。

出典　精選版 日本国語大辞典

動植物名よみかた辞典　普及版

秋刀魚 (サンマ)

学名：Cololabis saira
動物。サンマ科の海水魚

出典　日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典　普及版」

世界大百科事典（旧版）内の秋刀魚の言及

【サンマ】より

…ダツ目サンマ科の海産魚（イラスト）。秋の味覚を代表する魚の一つで，秋刀魚の字を当てる。分類上はダツ，サヨリ，トビウオなどの仲間である。…

※「秋刀魚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」