サウン(読み)さうん(英語表記)saung

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サウン」の意味・わかりやすい解説

サウン
saung

ビルマ (現ミャンマー) の弓型ハープサウン・ガウ saung-gaukの略称。「ツァウン」ともいう。いわゆるビルマの竪琴で,中国,日本の資料で鳳首箜篌 (ほうしゅくご) と記されるもの。清朝では「総稿機 (ツォン・カウ・キ) 」と記録された。木製の舟形胴 (シャというアカシアの1種の根をくりぬいたもの) の中央にシカ皮を張り,胴から曲った柄が出て弓型をつくる。柄の半分ぐらいのところから胴面の皮の稜線に斜めに絹製の弦を張る。ボドーパヤー王 (1782~1819) の頃にはまだ7弦であったものを文学者のミャワジ・ウンジー・ウーサが竪琴奏者ウー・ポー・ゴウンのために 13弦に改良したという。中国唐代資料では 14弦とある。現在では,ウー・モン・モン・ジーがさらに 14弦に改良,16弦のものまである。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サウン」の意味・わかりやすい解説

サウン
さうん
saung

ミャンマー(ビルマ)の弓型ハープ。正しくはサウン・ガウsaung gauk(サウン・カウs. kaukとも)。木製の舟型共鳴胴に緒止め棒ともなる首が取り付けられ、絹糸弦(近年ではナイロン弦も使用)が巻き止められている。もと13弦であったが、今日では16弦が一般的。両手の指ではじいて弾く。起源については諸説あるが、インドから伝わったらしく、中国でも唐代に鳳首箜篌(ほうしゅくご)として知られていた。仏教楽器であったが、今日では独奏合奏声楽伴奏に広く使われている。

[川口明子]

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