御す文字(読み)オスモジ

デジタル大辞泉 「御す文字」の意味・読み・例文・類語

お‐すもじ【御す文字】

女房詞から》
《御酢文字の意》「すし」の美化語
「近ごろは、―でもお結びでも一口にいけますし」〈康成・十六歳の日記
御推文字の意》推察の意の尊敬語。ご推察。おすいもじ
「その折からのせつなさ、申さぬとても、―あれかしに候」〈浮・御前義経記・七〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「御す文字」の意味・読み・例文・類語

お‐すもじ【御す文字】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語。「すもじ」は「す」で始まる言葉後半を略し、「文字」を添えたもの ) 女房詞「すもじ」の丁寧語
  2. (すし)のこと。
    1. [初出の実例]「御すもししん上あり」(出典:御湯殿上日記‐天文一三年(1544)九月二七日)
  3. 御推察の意。おすいもじ。
    1. [初出の実例]「申さぬとても、御すもじあれかしに候」(出典:浮世草子・御前義経記(1700)七)

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