御引直衣(読み)オヒキノウシ

デジタル大辞泉 「御引直衣」の意味・読み・例文・類語

お‐ひきのうし〔‐ひきなほし〕【御引直衣】

天皇日常に用いた身丈の長い直衣。裾を長く引いて着用し、下にくれない長袴をはく。御下げ直衣。ひきうし

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精選版 日本国語大辞典 「御引直衣」の意味・読み・例文・類語

お‐ひきのうし ‥ひきなほし【御引直衣】

〘名〙 (「お」は接頭語) 天皇が、束帯を用いる行事以外の日常の行事に着るもの。冬は表白綾に小葵御紋、裏は紫生絹(すずし)、夏は薄物で、色は二藍(ふたあい)文様三重襷(みえだすき)、紅の張袴。御下直衣(おさげのうし)
増鏡(1368‐76頃)九「八にならせ給へば、いと小さくうつくしげにて、びづらゆひて、御引直衣・打御衣(うちおんぞ)・はり袴たてまつれる御気色、おとなおとなしうめでたくおはするを」

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世界大百科事典(旧版)内の御引直衣の言及

【直衣】より

…幼年,壮年ともに夏の地質は縠(こめ),文様は,幼年が小型の三重襷(みえだすき),壮年が三重襷である。平安末以後,天皇は通常の直衣のほか,御引(おひき)直衣または御下(おさげ)直衣と称し,身丈をやや長く仕立てたものを搔込みをせず,裾をそのまま垂らして後方に引く形式のものを着用した。この際は長御打衣(ながのおんうちぎぬ),長御単を着て,指貫の代りに紅の御長袴をはく。…

※「御引直衣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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