出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…そのようにして旧来の用益権の一部は認められたにしても,御林地積がしだいに増大することは,それだけ民用林が圧縮されることであったから,これまでその山で生活資材の家作木や薪炭材・肥飼草などを自由に採取してきた領民たちは,狭くなる一方の共用林野の用益慣行をめぐって激しい入会紛争をくり返すようになり,和解または裁決までに数年ないし数十年を要する争議も少なくなかった。 なお,幕府御林の管理経営は勘定奉行に属し,事務は直属の御林奉行が管掌したが,諸国に散在した御林の直接的な管理は現地の代官(郡代)に属した。また幕府に常備された御林台帳は普通に御林帳といい,諸国御林帳,御林個所付帳とも唱えたが,帳面には御林の所在(郷村名),面積をはじめ,樹種・幹周り別の木数,林相・地利,伐木・植樹年次,江戸または市場・港津までの輸送距離までが明細に調記され,所管代官の交替や知行割渡しの際には,御林帳抜差,御普請木伐渡,枯木・根返り,払減木などの添帳によって加除訂正を加え,御林の現況を明らかにして授受されるものであった。…
※「御林奉行」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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