…現在の文楽では,ごく短い端場を除いて出語りが主となっており,演奏者は舞台上手(右)にしつらえた床(ゆか)に座し,肩衣を着用する。出語りでない場合は床の上部の御簾(みす)の陰で語るので〈御簾内(みすうち)〉と呼ぶ。【山田 庄一】 歌舞伎の義太夫狂言では,伴奏の竹本は舞台上手の上にある御簾の内(チョボ床)で語るのがきまりだが,下におりて文楽と同じように出語りになることがある。…
…床面のほぼ中央に直径約2mの回り舞台のような盆が切られてあり,真ん中に両面張りの衝立(ついたて)を置いて前後に仕切り,盆を回すことによって演奏者の交代を行う。衝立の上にはほぼ同じ幅の窓に御簾(みす)が掛けられ,その内側は2階になっていて〈御簾内〉と呼び,若手の太夫,三味線奏者の修業の場として使われる。歌舞伎の義太夫(竹本)の場合は上手大臣囲いの上にある御簾の中が本来の床であるが,出語りのときには下の揚幕の位置に文楽の床に準じた形の床を設けることが多く,また御簾を巻き上げて姿を見せることもある。…
※「御簾内」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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