御蔵入り(読み)オクライリ

精選版 日本国語大辞典 「御蔵入り」の意味・読み・例文・類語

おくら‐いり【御蔵入】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 戦国・江戸時代、将軍幕府)、大名(私藩)の直領(じきりょう)で、年貢、諸役を直接収取する領地家臣に分与する領地を給知(きゅうち)というのに対して蔵入地といい、その収納米を御蔵米といった。領主の生活費や諸役人の給料はこの蔵米から支出された。御蔵入地。
  3. 上演予定の歌舞伎狂言、または映画などが上演取り止めになること。転じて、計画が実行に移されなくなること。
    1. [初出の実例]「或る出版元に渡してあったのが、ずっとオクラ入りしていた」(出典:壺中庵異聞(1974)〈富岡多恵子〉七)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の御蔵入りの言及

【蔵入地】より

…御料所,御蔵入,台所入ともいい,戦国大名や江戸幕府の直轄領をいう。戦国大名領には,大名が家臣である給人(きゆうにん)に与える知行地のほかに,直轄領の蔵入地があり,大名の主要財源となっていた。…

※「御蔵入り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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