御飾記(読み)おかざりき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「御飾記」の意味・わかりやすい解説

御飾記
おかざりき

足利将軍家(→室町幕府)の座敷道具飾りの式法書。『小川殿東山殿御飾記』の略称で,『御飾書』ともいう。『君台観左右帳記(くんだいかんそうちょうき)』の姉妹書。著者は相阿弥(そうあみ)。1巻。大永3(1523)年頃の成立とされ,万治3(1660)年に出版。足利義政の東山殿(→慈照寺)における床の間違い棚の装飾法を図解しており,茶道,書画鑑賞などの発達史を考えるうえで貴重な資料。活字本は『群書類従』(遊戯部),『茶道古典全集』に収録。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「御飾記」の意味・わかりやすい解説

御飾記
おかざりき

座敷飾りの秘伝書。『御飾書』『東山殿荘之書(ひがしやまでんそうのしょ)』ともいわれ、相阿弥(そうあみ)こと松雪斎鑑岳(かんがく)真相が相伝のため筆写し、伝授したものである。『群書類従』所収本の奥書によれば、大永(たいえい)3年(1523)12月に成立した。相阿弥は能阿弥の孫にあたり、父祖に続いて唐物奉行(からものぶぎょう)の同朋衆(どうぼうしゅう)となり、室町将軍に仕え、その経験と知識を図解しながらまとめたのが本書である。内容は足利義政(あしかがよしまさ)邸(東山殿)の常御所(つねのごしょ)や会所足利義尚(よしひさ)の小川邸などの座敷飾りの詳細である。

[北條明直]

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