ミクロバランスとも呼ばれ,元素分析や微小量の精密測定に用いる秤量が20g以下のてんびんをいう。化学てんびんと同一形式のもの(秤量20~5g,感量0.05~0.01mgの微量てんびん),直示てんびんと同一形式のもの(秤量20~10g,感量0.001mgの直示微量てんびん),電子てんびん(秤量数g,感量0.01~0.0001mgのエレクトロバランス),トーションバランス(秤量0.25g,感量0.0001mgの石英トーションバランス)などがある。化学てんびんと微量てんびんとの中間の秤量20~100g,感量0.1~0.001mgのものはセミ微量てんびんと呼ぶ。微量てんびんのさおや皿などは非常に軽量(石英トーションバランスでは数百mg)なため,わずかな温度変化,ケースの隙間風や対流などにも鋭敏に影響され,低湿度によるてんびん各部の帯電でてんびんの動きが不規則になりやすいので,室内空気の状態,測定者の体温や呼気についての注意が必要。
→天秤(てんびん)
執筆者:小林 好夫
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元素分析あるいは一般の微量分析における微量物質の秤量(ひょうりょう)に用いる天秤。ミクロ天秤ともいう。普通、秤量10~20グラム、感量(指針を一目盛り移動させるに要する質量差)0.01ミリグラムで、0.001ミリグラムの差に感じうる性能をもつ天秤をいう。一般に使用されるクールマン型微量天秤は、構造や使用法は普通の化学天秤と大差はないが、小形できわめて敏感であるから使用の際には細心の注意を要する。
このほか秤量5~20グラム、読取り限度0.001~0.005ミリグラムの直示微量天秤があり、最近では電子微量天秤とよばれる、最高0.1マイクログラムまでの微量測定が可能なものもある。
[成澤芳男]
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[別用語参照]てんびん
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…オーストリアの化学者。ライバハの生れ。グラーツ大学で医学を学び,卒業後,生理学の研究を続けた。1904年ドイツのF.W.オストワルトやE.フィッシャーのもとで化学を学んでグラーツに戻り,タンパク質や胆汁酸を研究した。少量の試料しか得られないこれらの有機化合物を分析するために微量分析法を創始,微量てんびんその他の装置をくふうして,数mgの試料から炭素,水素,窒素を正確に定量する方法を12年までに確立した。…
※「微量天秤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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