一般に化学実験で質量(重力質量)を測定するのに用いる天秤で、分析秤(はかり)ともいう。大別して、てこと振動の原理を使い、二つの皿にそれぞれ分銅と試料をのせてつり合わせ、分銅の重量の和を読む方式(度表天秤という)のものと、一つの皿に試料をのせ、その重量に相当する分銅を外してつり合わせる方式(直示天秤という)のものとがある。また、直示天秤を電子回路によって自動化した電子天秤がある。電子式の天秤のほとんどは電磁式で、電磁力と荷重をつり合わせて質量を測定する。普通100~200グラム以下の物体を0.1ミリグラムの桁(けた)まで測定できる。微量分析に使用される天秤は最大荷重20グラムで、0.001ミリグラム(1マイクログラムまたは1γ(ガンマ))まで測定でき、とくに精密天秤という。
あまり精密さを要しない測定では、上皿天秤、調剤天秤、簡易化学天秤などの簡便なものも使用される。天秤は、その天秤で安定かつ正確に秤量(ひょうりょう)できる最大重量を秤量、最大荷重すなわち秤量で天秤をつり合わせたとき指針を単位目盛りだけ動かすのに必要な最小重量を感量、また、はかることのできる最後の桁を実感量という。
[高田健夫]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…基本的には中央に下向きの刃を固定し刃受けで支え支点とし,支点から左右等距離の両端に上向きの刃を固定し,力点,重点とする第1次てこ(さお)の力点と重点に刃受けを介して皿をつるした手動てんびんと,さおの重点に皿と秤量(測定できる最大量)に相当する内蔵分銅を掛けた状態でつり合うカウンターウェイトを力点に固定した直示てんびんとに大別される。 手動てんびんはさおのつり合いを度表と呼ばれる目盛板で測定することから度表てんびんとも呼ばれ,その構造は図1に示す化学の分野で使用する化学てんびんに代表される。てんびん各部は休め腕で支えられ,宝石(メノウ,ルビー,サファイアなど)製の刃と刃受けは切り離されている。…
※「化学天秤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新