心留まる(読み)ココロトマル

デジタル大辞泉 「心留まる」の意味・読み・例文・類語

こころま・る

ある物に強く心が引かれる。気に入る。
山水に―・り侍りぬれど」〈若紫
あきらめきれなくなる。未練が残る。
「―・ることなくて、極楽にも心清く参り侍るべき」〈栄花・鶴の林〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「心留まる」の意味・読み・例文・類語

こころ【心】 留(と)まる

  1. 愛情や深い関心・興味を感じる。心が引かれる。気に入る。
    1. [初出の実例]「琴の響き高くいづ。〈略〉ことに心とまりて、ごかの手どもをつかうまつりつくす」(出典:宇津保物語(970‐999頃)吹上下)
    2. 「いかではたかかりけむと、思ふよりたがへる事なん、あやしく心とまるわざなる」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)
  2. 心が残る。未練が残る。心が執着する。
    1. [初出の実例]「聖(ひじり)だちたる御ために、かかるしもこそ心とまらぬもよほしならめ」(出典源氏物語(1001‐14頃)橋姫)

こころ【心】 留(とど)まる

  1. 愛情や愛着気持を、ある対象にいだく。心が引かれる。心とまる。
    1. [初出の実例]「わざとおもしろくなりゆく時に、この北方に、上せめて御心とどまる」(出典:宇津保物語(970‐999頃)内侍督)

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