応接に暇あらず(読み)おうせつにいとまあらず

精選版 日本国語大辞典 「応接に暇あらず」の意味・読み・例文・類語

おうせつ【応接】 に 暇(いとま)=あらず[=なし]

  1. いちいち応じているいとまがない。美しい景物などがたくさんあるさま、また、物事が次から次へ立て続けに起こって非常に忙しいさまなどの形容
    1. [初出の実例]「許多の景物目捷の間に聚まりたれば、始めてここに来しものの応接に遑なきも宜なり」(出典:舞姫(1890)〈森鴎外〉)
    2. [その他の文献]〔世説新語‐言語〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

故事成語を知る辞典 「応接に暇あらず」の解説

応接に暇あらず

いちいち応じているいとまがない。ものごとが次から次へ立て続けに起こって、非常に忙しいこと。

[使用例] 塩野は入って来る知人応接に暇もなくあちらへったり戻ったり絶えずした[横光利一旅愁|1937~46]

[由来] 「世説新語言語」に載せる、四世紀の中国の書家おうけんのことば。現在のせっこうしょうこう市あたりは、美しい山や川が次々に現れて、美しい風景が続く土地。そのことを、「人をして応接に暇あらざらしむ(旅人一つ一つ観賞している余裕を与えないほどだ)」と、絶賛しています。ここから、もともとは、美しい景物が続くようすを指しましたが、現在では、ものごとが立て続けに起こる場合によく使われます。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む