急焼(読み)キビショ

精選版 日本国語大辞典 「急焼」の意味・読み・例文・類語

きび‐しょ【急焼・急須】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「急焼」の唐宋音「きゅうしゃ」の変化した語 )
  2. 取っ手のついた、小型のどびん。きびしょう。きびす。きゅうす。
    1. [初出の実例]「はこ火ばちのうしろに図のごとくの、どびんあり。上(かみ)がたにては、これをきびしょといふ」(出典滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)六)
  3. 夫婦に連れられた男の子男児。江戸時代、文政一八一八‐三〇)のはじめ、夫婦で連れ立って歩くのを「どびんのいかけ」といったところから、文久一八六一‐六四)ごろから、夫婦が男児を連れて歩くのを「きびしょを連れる」といった。後、女児を「てんま(伝間)」といったが、ともに性器に因んだ称という。〔随筆・雲錦随筆(1862)〕

きび‐しょう【急焼セウ・急須】

  1. 〘 名詞 〙きびしょ(急焼)
    1. [初出の実例]「石の竈(かまど)をつきて、新(あらた)なるきびしょうをかけ」(出典:浮世草子・風流茶人気質(1770)五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android