精選版 日本国語大辞典 「意気衝天」の意味・読み・例文・類語 いき‐しょうてん【意気衝天】 〘 名詞 〙 意気込みが天を突くほどに盛んなこと。意気旺盛なこと。[初出の実例]「今日を晴の場と各騎手は意気衝天の有様なるに」(出典:兎糞録(1913)〈和田垣謙三〉一五) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
四字熟語を知る辞典 「意気衝天」の解説 意気衝天 意気込みが天を突くほどに盛んなこと。意気旺盛なこと。 [使用例] 紋の丸は、色も青麦である。小鳥は、雲雀ひばりである。幅広と胸に掛けた青白の糸は、すなわち、青天と白雲を心に帯たいした、意気衝天の表現なのである[泉鏡花*薄うす紅こう梅ばい|1939] [使用例] 従来の国元からの仕送り以外に新らしい収入があるわけではないが、そこを何とか、どうしたのかお互たがいにわからないけれど、とり鍋のお酒が廻まわって来れば意気衝天、芸げい妓ぎを呼べと云いう事になる[内田百閒*日没閉門|1971] [使用例] 小こ平へい太たが意気衝天といった顔で長なが江え剣術道場へやってきました。そしてその小平太の申すには、「吉き良ら屋敷の中に住まっているのは、男子が九十余名に女子が四十余名です。討うち入いっても充分、勝算が立つ」[井上ひさし*不ふ忠ちゅう臣しん蔵ぐら|1985] [解説] 訓読して「意気天を衝つく」とも言います。意気込みが大いに高まって、天を突くようだということです。 近代以降に例のあることばですが、鎌倉時代の「正しょう法ほう眼げん蔵ぞう」にも「説法の志気現れて、衝天するなり」(=説法の意気込みが現れて天を突くようだ)と出てきます。つまり「志気衝天」です。「意気衝天」の源流に当たることばでしょう。 現代語では「意気衝天の勢い」などのフレーズで使われます。「意気天を衝く」の形も一般的です。また、「意気天に沖ちゅうするばかりの勢い」(北杜もり夫お「輝ける碧あおき空の下で」)とも言います。「沖する」は高くのぼることです。 「意気衝天」は一種の誇張表現です。類似の誇張法として、「怒ど髪はつ天を衝く」(=怒って逆立った髪が天を突く)があります。あるいは、高層ビルを「摩ま天てん楼ろう」と言いますが、これも「天を摩こするような楼閣」という意味の誇張表現です。 出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報