愚問賢註(読み)ぐもんけんちゅう

精選版 日本国語大辞典 「愚問賢註」の意味・読み・例文・類語

ぐもんけんちゅう【愚問賢註】

  1. 南北朝時代の歌論書。一巻頓阿、二条良基著。貞治二年(一三六三成立。良基の問に頓阿が答える形式で、歌の本質風体、心詞、本歌取り歌題歌病など二九項目について説いたもの。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「愚問賢註」の意味・わかりやすい解説

愚問賢註
ぐもんけんちゅう

南北朝時代の歌論書。二条良基頓阿共著正平 18=貞治2 (1363) 年成立。二条良基の質問に対する頓阿の回答という問答形式をとる。初めに良基の序があり,歌道の根本,心詞の関係,本歌取り,制禁の詞,題詠歌合,歌病などにつき,二条派の主張を根本としながら,やや自由な態度で説く。

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世界大百科事典(旧版)内の愚問賢註の言及

【二条良基】より

…文芸においては多方面に活躍し,有職故実の権威であり,文壇の指導者でもあった。和歌は初め京極風,のち二条風に転じて頓阿に学び,《愚問賢註》などを著し二条派歌風を宣揚した。連歌は若年より救済(ぐさい)に師事し,その協力を得て連歌最初の準勅撰集《菟玖波(つくば)集》を編纂,また《応安新式》を制定し,さらに《僻連抄》(1345)をはじめ《筑波問答》《十問最秘抄》ほか多数の連歌論を著述。…

※「愚問賢註」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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