戸高村(読み)とだかむら

日本歴史地名大系 「戸高村」の解説

戸高村
とだかむら

[現在地名]日南市戸高・中央通ちゆうおうどおり一―二丁目・上平野町かみひらのちよう平野ひらのなど

星倉ほしくら村の南に位置し、南は平野村。村の東端部を酒谷さかたに川が流れ、中央を飫肥おび城下油津あぶらつ湊を結ぶ往還(油津往還)が縦断する。同往還沿い、城下ほん町から一里にあたる地には現在も一里松いちりまつの地名が残る。油津往還から南西に分れ、西弁分にしべんぶん村を経て志布志しぶし(現鹿児島県志布志町)に至る道も通じていた。運輸の便はよく、土地は平坦で田地が多く、村の東部や中央部の田地には星倉村から続く用水が流れ、水利の便もよかった(日向地誌)。郷村帳類では近世を通じて戸高村一村として扱われていたが、「日向地誌」によると元禄年間(一六八八―一七〇四)以後に上・下の二村に分れたという。また郡行政では元禄五年には村内一四〇余戸を講は五、組は二八に分けていたが、享宝(享保か)年中に上・下の二村とし、両村ともに戸数は七〇余、各村を講は五、組は一四ずつに分ち、以後この講・組の体制で幕末に至ったとする。しかし寛文一〇年(一六七〇)の組頭江預被成候人数積帳(松浦家文書)にはすでに御側長柄組のつ組に属する村足軽に下戸高とあり、飫肥藩の実質的な地方支配では元禄年間以前から二村として扱われていたと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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