carpus
手骨のうち最も近位にある短骨。腕骨は旧名。ヒトでは8個あり,近位,遠位手根骨の各4に分ける。四足動物の初めに近位3,中心骨4,遠位5の計12あり,進化の過程で近位に豆状骨が加わり,中心骨が消失し,遠位第4と第5が癒合した結果とされる。しかし,稀に中心骨をもつ破格が生じる。じつはヒトの舟状骨結節は元の第1中心骨で,爬虫類の橈側骨(とうそくこつ)に中心骨が癒合してできたのが舟状骨である。動物の進化と解剖学の研究が逆方向に進んだことによる齟齬(そご)の好例である。
執筆者:犬塚 則久
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…腕
[手hand]
手は上述のように,解剖学では手首の関節から先のところをいい,手根,中手,指の3部に区別される。手根wristは手の付け根の〈手首〉と呼ばれる部分で,内部には手根骨carpal bonesという8個の小骨があって,その骨格をなす。手根骨は手のひらの付け根のところにある小さい骨で,8個が4個ずつ2列に並んでいる。…
…四肢のすべての長骨についていえることだが,橈骨も祖先の魚類の胸びれの骨格を受け継いだものとして原始両生類に現れて以来,高等哺乳類に至るまで,その配置や全般的性格は本質的にほとんど変わっていない。ただ二次的に水中や地中生活に適応した動物では,橈骨が手首の手根骨と同様の塊状の骨になったり(首長竜,魚竜),極度に太短くなったり(クジラ,モグラ)することがある。また,骨格の退化や融合の傾向が強いカエル類では,後肢の下腿(ひざから足首まで)の2本の骨と同様に,橈骨は発生過程で尺骨と融合し,橈尺骨と呼ばれる1本の骨になる。…
※「手根骨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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